漫画

マネーウォーズ1〜9

 宮川総一郎

 集英社
これは良作だと思う。若手証券マン相場剛が主人公。 一見、ほのぼのした株漫画に見えるが、仕切り・回転・利益保証など、内容は結構えげつない。 バブル経済全盛期で、証券会社、客、ともに潤った時代ならでは。 NTT上場(作中ではJTT)をめぐる話でも、 当時の証券業界の盛り上がりと躍動感が良く伝わってくる。
マネーメーカー1〜2(連載中)

 原作:KOZO
 作画:大久保勝也

 講談社
父親のリストラで高校の入学金が払えない主人公が、何とかお金を作るために株取引の世界に入ってくる。 しかしまぁ、買った株が例外なくストップ高を交えて上昇したり、 利食いなのに天井をわずかに逃しただけで惨敗と言ってみたり、 色々とどうかと思う点が多い。 いくら少年誌向けとはいえ、もうちょっと市場について勉強して欲しいものだ。
相場師(シテ)1〜5

 原作:観月壌
 作画:平松伸二

 日本文芸社
金子満吉は、刑務所から同時に出所したことが切っ掛けで兜町の狼こと志麻蒼一と知り合う。 満吉は志麻を師匠として相場の世界に入って行くが…。 内容は荒唐無稽なのだが、構成はしっかり考えられていて結構面白い。 「金を儲けたいだけなら、人は相場なんか張らない」という志麻のセリフが印象的であった。
株(マーケット)1〜5

 原作:観月壌
 作画:川島博幸

 集英社
主人公の志摩真は、実の父である南海証券社長の志摩蒼一に戦いを挑む。 老相場師の金子満吉も登場で、「相場師(シテ)」の登場人物が出てくる。 真は「株の用心棒」の看板を掲げて株に迷う人たちを救い、 周りの人々に、人間こそが相場の本質であると気付かせていく。 ただ、空売りを「他人の不幸を利用して儲けること」と言ってみたり、 最後まで父親との反目の理由が見えてこないなど、なんだかなと思う部分は多い。
銭華1〜3

 原作:倉科遼
 作画:和気一作

 芳文社
母親が死んで天涯孤独の身となった坂本千尋は、 全財産の一千万円を持って高知から東京へ出てくる。 彼女は相場に対する優れた感性と、自分自身の肉体を武器に兜町でのし上って行く。 体を武器にとかいう時点で発想がオヤジなのだが、 それは掲載雑誌を考えると仕方が無い部分もあるのだろう。 同じ作者の「女帝」を読んで、なんてウソくさい話だろうと思ったが、 この作品も同じような感じである。


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