運について
2006/12/24
相場には運も大事である。どうすれば運が向いてくるか、感じた事を書いてみる。
1.相場に対する謙虚な気持ちを忘れないこと。
相場の値段というのは市場参加者のありとあらゆる欲望と知力の集大成であり、
もし相場を理解したと言う人がいれば、
それは人間全てを理解したと言うのと同じくらい大それた発言である。
相場で取っても、一時的に預かっているというくらいの気持ちが大切。
人間、驕りがあると必ず運が落ちる。
2.多くの人に敬意を払われている対象には自分も敬意を払うこと。
例えば、神仏を信じていなかったとしても、神仏を信じている多くの人々がいる訳であり、
その気持ちを尊重し、敬意を払うべきである。
皇室なども良い例である。もし皇室が無価値だと考えていたとしても、
皇室を尊ぶ人々がいる限り、敬意を払うべきである。
多くの人が大切にしているものを蔑ろにすると、世の中との調和が取れずに運が落ちる。
3.他人のせいにしない。
自分の身に起きた事は、自分の行いの帰結であると考える事が大切である。
完全に不可抗力で訪れる不幸というのはそれほど多くない。
自分にも何かしらの非がある場合には、
運を落とさないためには他人に原因を求めるような発言はしない方が良い。
例えば、あんたの指示のおかげで曲がった、外務員のせいで損をした、
HTのサーバーダウンのせいで儲け損なった、ストップ高で成立しないのは会社のせいだ、
俺が破産したのはブッシュのせいだ、などなど。
他人のせいにする言葉は非常に暗示力が強いので、注意が必要である。
一応言っておくと、他人に酷い目に遭わされても泣き寝入りしろと言っているわけではない。
運が落ちることを理解した上で他人の責任を追及するなら、いくらでも好きにやれば良い。
更に余談だが、これは国同士の関係でも同じである。
(個人的には先の戦争は侵略であったと考えるが)事実がどうであったかには関係なく、
韓国・朝鮮は日本の責任を追及する事で運を逃し、
日本は原爆を落とされ無差別空襲を受けたのにアメリカの責任を追及しなかったので運を得た、
ように見える。
4.媚びないこと。
実力が足りないからといって、他人に頼り、助けてもらおうと思ってはいけない。
相場の世界は自分で切り拓いていかねばならないと悟るべきである。
返すつもりの無い借りを作ると運が落ちる。
これは別に、他人に情報をもらって売買するなと言っているわけではない。
自分が責任を取るつもりで主体的に、ビジネスとして情報を得るのは何ら問題ない。
例えば、通常取引で外務員に情報を貰うのは、対価として高い手数料を払っているので問題ない。
投資顧問も情報料を払うわけなので問題ない。
難しいのが借金についてである。きちんと返済できるあてがあり、
相応の対価(金利など)を払うなら、借りた金で相場を張っても運は落ちない。
しかしその場合でも、返済に懸念が生じた段階で運を落とす原因になり悪循環に陥る。
非常にリスクが高いと考えねばならない。
尊敬し学び取る事と媚びる事は違う。その場限りの情報ではなく、
自分に血肉にしようと真摯に学ぶつもりで教えを請うなら、
対価を払わなくとも運は落ちない。もちろん感謝の気持ちは大切だが。
ポイントは、心が卑しいか卑しくないか、ということ。
5.一番身近な女性を大切にすること。
女性にとって男性がどうなのかは分からないが、
男性にとっては身近な女性の精神状態は如実に運に影響する。
女性は幸運の女神であり、感謝の気持ちを忘れず、
常に機嫌良く平安な心でいてくれるように努力すること。
釣った魚に餌はやらない、なんてのは、とんでもないことである。
みすみす不運の種を生産しているようなもの。
女性関係が派手な人は相場も安定しないように感じる。
6.楽観的であること。
悲観的な人と楽観的な人では、楽観的な人により多くの運が巡る。
しかし根拠無き楽観は驕りに繋がり、かえってマイナス。
7.純粋な気持ちを持つこと。
贅沢をしたいから相場を張る、自分は賢いのだと誇示したいがために相場を張る、
そういうのは雑念になって運を落とす可能性が高い。
これは非情なところだが、家族の生活のために相場を張る、とか、借金返済のために相場を張る、
などという事情も雑念を生じて運にはマイナスに働く場合が多い。
正しい目的のために相場を張っているからといって、勝てるほど相場は甘くない。
ゲーム感覚で淡々と張る人の方が意外に取れたりもする。
とは言っても、個人の事情に関しては、あれこれ言っても仕方が無いが。
8.笑顔が大事。
笑う角には福来るというのは真実である。
病気や身内の不幸など、どうしても笑顔になれない時には、相場は休んだ方が良い。
9.くだらない事をしないこと。
コンビニでお釣りが多かった事に気付いてもそのままもらってしまう、
居酒屋の灰皿を失敬する、
バレないからといって電車でキセルをする(今はほとんど無理のようだが)、
財布を拾っても届けない、こういうつまらない事をやらない。
100%誰にもバレないとしても、必ず心にやましさが残り、運が落ちる。
卑しい心で小銭を得ても、トータルでは良い結果にはならない。
10.遊びのお金は綺麗に払う。
飲み代などの借りはすぐに払うこと。
特にギャンブルで発生した借りは運に大きく影響するので、負けたら必ずその場で払う。
手持ちが無い場合は仕方が無いので翌日に振り込むこと。
運とは書いたが、心理学的にはおそらく、自らの精神状態が勝負に与える影響、という事になるだろう。
良い精神状態では物事が良く見えるが、悪い精神状態では悪手を打つ可能性が高まる。
とは言え、それだけでは片付けられない、天佑や神の助けなどもあるように思う。
これも敢えて理屈で考えれば、天佑は誰にでも同じ確率で訪れるが、
それを生かすのはやはり良い精神状態という事なのだろう。
悪い精神状態では天佑が降って来たことすら気が付かない。
参考文献:
米長邦雄「運を育てる」、非常に共感できる。
ここに書いている事もだいたいこの本と同じである。
司馬遼太郎「坂の上の雲」、日本はなぜ、日清・日露戦争に勝つことができ、その後、破滅に至ったのか、
運という観点から見ると良くわかる。
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