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EMAとボラティリティーの計算

EMAの計算

EMAとは、日本語で指数平滑化移動平均と言われているもので、移動平均の一種です。 詳細についてはここでは述べませんが、あるパラメータ"a"を用いて、

当日のEMA = (1−a)×前日のEMA + a×当日の値段

で計算されます。"a"は0より大きく1より小さい数で、 0に近いほど長期の移動平均になります。

ここで用いるデータは、前節で作成した修正繋ぎ足データです。 ただし、データは3行だけ下に平行移動させてあります。



セルB2にEMAのパラメータを入れます。この例では0.1を入れました。 更にセルF5に初期値として「=E5」と入力します。



次にセルF6に「=(1-$B$2)*F5+$B$2*E6」と入れて、



セルF6をコピーしてセルF7以降に貼り付けて、出来上がりです。



「$B$2」のように「$」が付いていると、別のセルにコピーしても位置の指定が変化しません。 パラメータなど、全てのセルで同じ内容を指定したい場合などに用います。
ボラティリティーの計算

ボラティリティーとは、価格変動率の大きさのことです。 例えばボラティリティーが0.014であるとは、毎日およそ1.4%程度の価格変動があるということです。 ボラティリティーは非常に重要な概念であり、 システムの構築や資金管理などに密接に関わってきますので、ここで作り方を解説しておきます。

ここでは理論については詳しくは述べませんが、 ボラティリティーは、毎日の価格変動の二乗の平均の平方根を取ったものとして計算されます。 平均はEMAを用いて計算します。つまり、

当日のボラ = √( (1−b)×前日のボラの二乗 + b×当日の価格変動率の二乗 )

となります。ここで"b"は平均する時のパラメータです。

まず、価格変動率を作ります。

価格変動率 = (当日の修正繋ぎ足−前日の修正繋ぎ足) ÷ 前日の単純繋ぎ足

ですので、セルG6に「=(E6-E5)/D5」を入力し、セルG6をコピーしてセルG7以降に貼り付けます。



次に、セルH5にボラティリティーの初期値を入れます。 適当でも良いのですが、ここでは最初の10日の価格変動の標準偏差を用います。 セルH5に「=STDEV(G6:G15)」と入力します。



セルD2にボラティリティーを計算する際のパラメータを入れます。この例では0.02を入れました。 更にセルH6に「=SQRT((1-$D$2)*H5^2+$D$2*G6^2)」と入力し、



セルH6をコピーしてセルH7以降に貼り付けて完成です。


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