城山三郎の本

雄気同々

 城山三郎

 新潮文庫
(上)ISBN:4101133034
(下)ISBN:4101133042
近代日本屈指の実業家、渋沢栄一の生涯を描く。 価値観が急速に変容する幕末から明治の激動の時代に、 主人公もまた価値観を新たにし、成長して行く。 本書の中で語られる渋沢栄一氏の魅力のみならず、 試行錯誤しながらゼロから新政府を建設して行く人々の高揚感にはわくわくさせられた。 現在は理想無き時代なだけに、なおさらである。


 城山三郎

 文春文庫
   ISBN:4167139014
日商岩井、帝人、神戸製鋼などの前身である総合商社「鈴木商店」の大番頭、金子直吉の生涯と、 鈴木商店焼き討ち事件の真相を追求したドキュメント。 成長期にみられる自由闊達な雰囲気と、後の、組織が巨大化する事による様々な歪みをリアルに描いた問題作。 個人的には、城山作品の中では最高傑作であると思う。
百戦百勝

 城山三郎

 角川文庫
   ISBN:4041310148
働き一両・考え五両。貧農の出の主人公、春山豆二がいかにして財を成していったかを描く。 言うまでもなく主人公のモデルは相場の神様と言われている山崎種二氏である。 個人的には、売りが好きだという点で非常にシンパシーを感じるので読んでいて楽しめる。
男子の本懐

 城山三郎

 新潮文庫
   ISBN:4101133158
第一次大戦後の慢性的不況を乗り越えるため、万難を排して金解禁を成し遂げた浜口雄幸と井上準之助。 現在から見ると金解禁の是非については議論があるが、 自分の信念の為なら命も賭ける彼らの生き方は一種の清々しさを感じさせてくれる。 今の日本にも彼らのような政治家が欲しい。


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