相場の儲けは相場に返す
2000/5/31
「利食い途転は愚の骨頂」
という格言がある。文字通り取れば、
「底で買う。目先の天井で売り途転。押した所で買い途転。さらに天井で売り途転。…」
こんな上手くは行かない、という事だ。
神様じゃないんだから、全ての高下を取るなんていうのは不可能である。
それができるようなら今頃、世界の富を手にしているだろう。
何が言いたいかというと、「利食い途転」というものは、
自分の売買したポイントが正にピッタリ底や天井であるという確信に基づいたものであり、
極めて傲慢な手法であるということだ。
「自分は何でも知っている」こう思ったら人間はおしまい。謙虚な姿勢が大事である。
様々な人々が様々な手法で相場に参加しているのであるが、どの人も、
常に資金を増加させ続けていく事はできない。
どのような方法に依ろうとも必ず波というものがあり、
プラスに持っていける実力のある人でも、
損をしたり儲けたりしながらトータルでのプラスを目指すものなのだ。
だから、一時的に成功して幾ばくかのリターンを得たとしても、
そのうちで最終的に手の内に残るのは一部であり、
残りは「預かっている」というくらいに考えていた方が良い。
言い方を変えると「相場の儲けは相場に返す」ということ。
たくさん儲けたとする。でも、そのうちから自分の取り分を少しもらったら残りは相場に返そう、
そういう姿勢が大事なのである。
だから、「利食い途転は愚の骨頂」という格言は、
利食って途転するという行為そのものに対する言ではなく、
結局のところ、「一度懐に入ったお金は死んでも手放したくない。それを元手に更なる利益を。」
なんていう身の程知らずな心理状態を戒めた言葉だと思うのである。
余談だが、鞘滑り取りをしてると「相場の儲けは相場に返す」というのが実感できる。
儲かった分のうち、鞘の分以外のプラスはいずれ返さねばならないからである。
注:この文は別に利食い途転を否定しているわけではないです。
まあ、上手い人は普通はしないと思いますが。
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