皇室典範の改正
2006/2/9
皇室典範の改正についての議論が賑やかである。
せっかくずっと続いて来た男系が維持できれば、それに越したことは無いと思うのだが、
現在の制度のままでは難しいだろう。
Y染色体の大部分は減数分裂の際に組み換えが起こらないから、一度その部分が損傷されてしまうと、
その後いくら質の良い女性の血統を入れても、その損傷部分が回復することは無い。
Y染色体は主に生殖関係の機能を司るので、一度でも損傷してしまうと男系としての維持は困難になってしまう。
つまり女系に比べて男系は断絶し易いのである
(女系の場合は男性側から新たなX染色体を導入できるので、遺伝子のリフレッシュが可能)。
皇室を現在から600年も遡らないと別系統の男系を辿れないという事自体が、
ここ600年の間にY染色体が損傷を受けた可能性が高いという事を示している。
仮にそうだとすると、秋篠宮家に男子が生まれたとしても次の代でまた同じ事になり、
根本的な解決にはならない。
徳川家も御三家などの傍系を利用しなければ断絶していたわけで、
男系としての安定性を担保しようとするなら、
最低でも3系統くらいは平行して血統を維持する必要がある。
実際には600年前に分かれた伏見宮の系統しか選択肢が無いわけで、
男系を将来にわたっても維持するなら、こちらの血を適宜入れていくしかない。
国民感情を考慮すると、愛子さんが旧皇族の人と結婚して、その子供(男)が次の天皇として即位するか、
それが無理ならば、旧皇族の系統に生まれた男の子を養子に取るくらいしか方策は無いように思う。
ところで、Y染色体自体に男系の正統性を求めるような議論が見受けられるが、
そういう馬鹿馬鹿しい話は止めてもらいたいものだ。
万世一系というのは大いなる神話であって、神話の世界に科学を援用しておきながら、
科学的な立場から見るとY染色体自体は誰のでも大差は無いという事実を無視するのは、滑稽である。
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