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修正繋ぎ足の作成
- 鞘修正の必要性
商品先物市場の大きな特徴は限月制であるということです。
これはシステム売買などを考える上で大きな障害となります。
たまに単純に先限を繋いだだけの時系列データでシステムを検証している例が散見されますが、
それでは正確な結果は得られません。
例えば、1月初めから6月末まで買いポジション、7月初めから12月末まで売りポジションを持つとし、
これを灯油の先限繋ぎ足で検証すると大きな利益になってしまいます。
上鞘発会や下鞘発会などの鞘分の誤差の影響で、このような事が起きてしまいます。
- 修正繋ぎ足
鞘分の誤差を考慮するのに良く使われるのが、修正繋ぎ足です。
修正繋ぎ足とは、値動きは先限の動きに連動しながら、
限月が変わった時の鞘分の誤差を修正したものです。
以下の図のように、先限が100円上がれば修正繋ぎ足も100円上がり、
先限が100円下がれば修正繋ぎ足も100円下がります。
発会日前日終値から発会日当日終値にかけての値動きは既存限月に連動し、
当日以降は新たに発会した限月に連動します。
ここでは、発会日の終値で修正する方式を採用しますが、
発会日の寄りで修正するとか、
発会日から数日は鞘の動きが荒いので発会してから数日後に修正するとか、
人によって流儀は異なることもあります。
- 実際の作り方
元になるエクセルデータとしては、前節で作成した、先二限月を二列に表示し、
月替わりで横にスライドするデータを用います。
先限終値ベースでの分析ならこれで十分です。
まずはD列に単純繋ぎ足を作成します。セルD2に「=IF(C2>0,C2,B2)」と入力し、
セルD2をコピーしてセルD3以降に貼り付けます。
次に修正繋ぎ足を作ります。まず、セルE2に初期値を入れます。下の例ではD2の値を初期値に入れていますが、
どうせ単純繋ぎ足とはズレて行きますので、最初から例えばゼロを初期値にしても構いません。
セルE3に「=E2+IF(C2>0,D3-C2,B3-B2)」と入力し、
セルE3をコピーしてセルE4以降に貼り付ければ出来上がりです。
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