一部中小国の債務不履行を懸念、欧米市場に警戒感 2008/10/19(日) 16:02:47 |
| 一部の新興国が債務不履行に陥ることに対する警戒感が欧米金融市場で高まっている。国の債務を肩代わりする「保証料率」が、アルゼンチンやパキスタン対象分で急上昇、国の破綻リスクが意識されつつある。
債務不履行に対する警戒感の強まりは、国債を対象にしたクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれる金融派生商品の保証料率に表れる。保証料は、債務不履行となった場合に、投資家などが保有する国債の元本を補てんしてもらうためのコスト。例えば保証料率1%の場合、国債保有者は1万ドルを払って、100万ドル分の国債のリスクを第三者に引き受けてもらう仕組みだ。保証料率の上昇が必ずしも破綻に結びつくわけではないが、リスクの高まりを反映する。(ロンドン=石井一乗)(11:38) |
中国の外貨準備、32.9%増の195兆円 9月末、伸び率は鈍化 2008/10/19(日) 16:01:06 |
| 【北京=高橋哲史】中国人民銀行(中央銀行)は14日、9月末の外貨準備高が前年同期比32.9%増の1兆9056億ドル(約195兆円)になったと発表した。増加率は6月末より2.8ポイント低下。今年1月から9月の間、貿易黒字が前年同期比で減少したにもかかわらず外貨準備は急増していたが、ここにきて伸びの鈍化がはっきりしてきた。
中国では今年前半まで人民元相場の上昇を背景に、短期の投機資金の流入が問題になっていた。8月以降は人民元の対ドル相場の下落が鮮明になっており、投機資金の流入が一服したとの見方が出ている。外貨準備の伸びの鈍化は、投機資金の流入の減少を反映している可能性がある。
人民元相場を巡っては人民銀の易綱副総裁が13日「元相場は弾力性が明らかに増しており、合理的な水準に近づいている」と語った。(14日 21:01) |
社説1 米金融機関の損失は負の連鎖の恐れ(10/18) 2008/10/19(日) 15:57:07 |
| 住宅バブル崩壊に伴う米金融機関の巨額損失が続いている。7―9月決算では、シティグループなど大手米銀3行の関連損失が計250億ドル(約2兆 5000億円)に及んだ。金融危機は実体経済を圧迫しており、金融機関の損失が住宅関連だけでなく個人や企業への融資の焦げつきに広がっている点は警戒が必要だ。
シティグループが16日発表した決算には、損失の性格の変化が表れている。保有する住宅ローンの証券化商品などの評価損を44億ドル計上したが、融資の回収が危ういことを示す貸倒引当金の積み増しも前年同期に比べて42億ドルも増えた。
実体経済の悪化が借り手の返済能力を落としているのだ。家計は、保有する住宅価格の下落に歯止めがかからず、企業の人員削減による収入減も重なる。企業の資金繰りも厳しい。銀行の貸し渋りに加え、市場を使った資金調達が株安で難しくなった。トムソン・ロイターの集計では、米市場では8月7日を最後に、米企業の株式上場が止まっている。
最も懸念されるのは、金融機関の損失と実体経済との負の連鎖である。損失で資本を棄損した金融機関が貸し渋りに拍車をかけて実体経済を傷める。金融機関は融資を回収できなくなり、焦げつきによる損失が新たな貸し渋りを生む構図だ。
15日に米連邦準備理事会(FRB)が発表した地区連銀経済報告には、悪循環の芽が表れている。景況感が悪化した理由として、銀行が貸し出し基準を一段と厳しくしているとの報告が相次いだ。決算発表でもJPモルガン・チェースの会長が、融資を拡大することについて「怖くないとしたら、その経営者はどうかしている」と本音を漏らした。
米政府による金融機関への資本注入や不良資産購入は、金融機関の財務体質を安定させ、負の連鎖を断ち切るのがねらいだ。ただ、金融機関の損失予想額は膨らんでいる。国際通貨基金(IMF)は今月、サブプライムローン問題による世界の金融機関の損失見通しを1兆4000億ドルと試算、わずか6カ月前の試算から1.5倍に修正した。住宅価格の下落など、実体経済の悪化が要因だ。
日本にも、同じ構図が波及しかねない。銀行の慎重な融資姿勢は、不動産業界などの倒産の伏線ともなっている。政府や日銀は、金融システムと実体経済の動揺を抑える細心の注意を払ってほしい。企業も備えが必要だ。資金調達の手段を拡充する一方、負債が大きすぎれば圧縮しておくなど、信用収縮に対する自衛策を進める時期に入ったといえる。 |
中国広東省でデモ相次ぐ 玩具工場閉鎖では数千人規模 2008/10/19(日) 15:56:05 |
| 【東莞(中国広東省)=阿部将樹】輸出型企業が集積し「世界の工場」と呼ばれる中国広東省で労働者の抗議行動が相次いでいる。東莞市にある香港系大手玩具メーカーの2工場が15日、突然閉鎖され、失業した従業員による数千人規模のデモが発生。同市のペット用品製造会社でも13日、給与未払いで約1000 人が抗議し、20人が警察当局に拘束された。
2工場(従業員数は約7000人)を閉鎖した玩具メーカー、合俊集団は米マテルなどにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する世界大手。8月から未払いの賃金の支払いを求めて連日、数千人が地元政府前の広場に集結する騒ぎが続いている。当局は未払い給与の補償を決めるなど、事態の沈静化に躍起だ。
香港の人権団体、中国人権民主化運動情報センターによると、広東省では今月13日から17日の間だけで、工場閉鎖などで労働者による数百人から数千人規模の抗議行動が5カ所で起きた。同センターは、米国に端を発した金融危機による受注減などで、同省の工場閉鎖は今後、増えるとの見方を示している。(18 日 20:23) |
欧州やアジアの中小国、止まらぬ資金流出 2008/10/19(日) 15:54:33 |
| 【ニューデリー=長沢倫一郎、ロンドン=石井一乗】米国発の金融危機の余波を受けた新興国経済の混乱が一段と拡大している。世界の投資家が一斉に高リスク投資から資金を引き揚げ始めた結果、大規模な資金流出に直面。ハンガリーやウクライナ、アイスランドに加え、新たにパキスタンも国際通貨基金(IMF)などの国際機関や友好国に支援を要請し始めた。新興国経済は海外からの投資マネーに成長を依存していただけに影響は深刻だ。
パキスタンの外貨準備高は昨年10月のピーク時の半分を割り、2カ月分の輸入代金をかろうじて賄える水準にまで落ち込んだ。同国は恒常的な貿易赤字を抱え、原油高で外貨流出が加速している。経済の先行きへの懸念は同国通貨の売り圧力の形でも顕在化。パキスタンルピー相場は17日、対ドルで史上最安値をつけた。(14:18) |
原油急落、中東産油国の財政を圧迫 2008/10/19(日) 15:51:46 |
| 原油価格の急落が中東産油国の財政を圧迫し始めた。米原油市場で1バレル70ドルを割る価格の急落でイランでは財政赤字が拡大、歳入の8割を原油収入に頼るサウジアラビアでも来年度予算の編成に影響を与える水準に近づきつつある。原油価格高騰を背景に財政支出を膨らませた反動が出た形だ。金融危機に加えて、高成長を支えてきた原油収入の減少は産油国経済に打撃を与えかねない。
イランの2008年度予算は編成段階では原油価格を1バレル約40ドルで計算しているが、実際には歳出に均衡する歳入を得るには「1バレル90ドル前後が必要」(テヘランの外交筋)。イランは石油輸出国機構(OPEC)でサウジに次ぐ産油量を誇る一方で、7000万人の人口を抱える。アハマディネジャド大統領が原油高を利用して支持基盤である低所得層向けの補助金政策を拡大してきた結果、原油価格急落の反動が急速に財政運営を脅かし始めている。(アブダビ=松尾博文) (15:17) |
米大手銀3行、巨額損失発生続く 市場は財務への不信募らす 2008/10/17(金) 22:47:11 |
| 【ニューヨーク=財満大介】シティグループなど米大手銀3行の7―9月期決算は、住宅ローン投資の失敗などによる損失が計250億ドル(約2兆5000億円)と4―6月期より増加。米金融機関が依然、巨額の損失を出し続けている実態が鮮明になった。証券化商品の値下がりが続く中で、景気減速で融資の焦げ付きも増える見込みだ。
信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が表面化した昨年7―9月期からの累計損失は、シティが670億ドル(6兆 7000億円)、バンク・オブ・アメリカが300億ドル(3兆円)、JPモルガン・チェースが230億ドル(2兆3000億円)に達した。シティを除く2 行は損失額が4―6月期より再び拡大に転じている。 |
クレディ・スイスの7―9月、1100億円の最終赤字 2008/10/17(金) 22:45:04 |
| 【ジュネーブ=藤田剛】スイスの金融大手のクレディ・スイスは16日、7―9月期決算が13億スイスフラン(約1100億円)の最終赤字になったとする業績予想を発表した。赤字決算は今年1―3月期以来。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)などの損失処理が膨らむためで、投資銀行部門の税引き前損益は32億スイスフランの赤字となったもよう。プライベートバンキング部門など他の部門は好調だった。
一方、同じスイス金融大手のUBSも7―9月期に2億9600万スイスフランの最終黒字となったとする業績予想を発表した。税額控除の発生などで、2007年4―6月期以来5四半期ぶりに黒字となったようだ。
クレディ・スイスはカタールの投資ファンドなどを引受先とする約100億スイスフランの増資、UBSはスイス政府の公的資金による60億スイスフランの増資を決定している。 (12:00) |
(10/17)ガソリン卸値、出光興産が7.9円下げ 10月第4週分 2008/10/17(金) 22:31:16 |
| 石油元売り大手の出光興産は17日、10月第4週(20−26日)出荷分のガソリン卸値(全国平均)を前週に比べて1リットルあたり7.9円下げると発表した。原油価格が急落しているため。同社は10月から週ごとに卸値を変える方式を採用している。灯油は6.8円、軽油は4.6円下げる。
石油情報センターによると、14日時点のレギュラーガソリンの店頭価格(全国平均)は161.6円。卸値の引き下げで給油所の店頭価格は下落しそうだ。 |
サウジ原油の対日調整金、大幅下げ 11月積み ガソリン価格波及へ 2008/10/17(金) 22:29:51 |
| サウジアラビアの国営石油会社、サウジアラムコは7日、11月積み原油(DD原油)価格を4カ月連続で引き下げると日本の石油会社に通告してきた。サウジ産などのDD原油の価格は、ドバイ原油とオマーン原油の月間平均値に調整金を加算して決める。主力原油のうちエキストラライトの調整金を前月の約半分に圧縮、ライトの調整金はマイナスにし実質的に割り引く。ガソリンなど石油製品の一段の値下げにつながりそうだ。
11月積みに加算するエキストラライトの調整金は1バレル1.20ドル。10月積みに比べ48%引き下げた。ライトは10月がゼロ加算だったが、マイナス0.65ドルとした。ライトのマイナス調整は2006年12月積み以来ほぼ2年ぶり。ヘビーはマイナス幅を広げ、マイナス5ドルとなった。(07:00) |
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