季節 さんの日記

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奇書  2007/12/08(土) 21:58:31
  和田平介『キャバレー日記』(晩聲社1981年)は誠に稀代の名ルポルタージュだ。当時全盛だった三経ロンドングループにボーイとして入社して、毎日の日記の形でルポしたものだが、性風俗産業に働く男性からみた実態というのは、歴史的にも貴重な報告であろう。当時ドリフターズでよく加藤茶が「楽しいロンドン愉快なロンドン」と踊っていたが、事実そのころはテレビコマーシャルをやっていたと言うから驚きである。(私はコマーシャルをみた記憶はない)もしかしたらこの本でその過激サービスを暴露された故に、テレビから追放されたのか? いずれにせよ今はロンドングループというのをあまり聞かない。この分野からはほとんど撤退したが如くである。
 告発モノといえば、かつて一世を風靡したサイト「電話の向こうの知らない世界」も先物営業のえぐい世界を知らしめたものだった。管理人の閑散人さんの文章を長年読ませていただいたが、彼は学生時代から悪徳商法に関心があったが、相場や経済にはほとんど関心がないらしかった。たぶん閑散人さんも最初はルポルタージュでも書くつもりで先物営業に潜入したのだろう。閑散人さんやCCMF岩井氏、小名川哲夫氏などは、ネットで有名となり一時はテレビ雑誌の取材も受ける有名人であったが、今は再び一市井人に戻りつつある。

(無題)  2007/12/06(木) 20:13:26
 日本ファースト証券のFXが6ヶ月の営業停止処分となった。顧客の証拠金を流用していたのだという。ここの会社は、以前からこの会社の未公開株がなぜか売られていたりして、かなりうさんくさかったのだが、ついに処分を食らったわけである。サイトを見てみると、証券業務のほか、商品先物もやっているらしい。まあ、近頃は証券会社の設立も容易になったから、証券会社の看板を持っていてもあんまりアテにならない。預かり金の保護は基本的に証券業務に関するものだけだし。以前南証券という会社が平田という詐欺師に乗っ取られたが、その時分は証券会社にはまだ多少の信用があったから、世人を大いに驚かせた。彼は逃亡前夜、顧客から預かった証券類を段ボール11箱につめて逐電したという。しかし証券の番号は直ちに記録されて、売ることはできなかったようだ。平田はその後沖縄で捕まった。今はペーパーレスだからその辺の管理はもっと徹底しているとは思うが・・・

(無題)  2007/12/05(水) 20:16:06
 OECDの15歳学力調査で、日本の学力が世界の中で順位を下げてきた事がわかったという。かつては、日本人の学力は世界一と報じられた時代もあったのだから、「学力崩壊」に危機意識を持つ人もあろう。ただ私は日本人の「優秀な学力」には、少しさめた意見を持っている。というのは、元々日本人の「成人」が、本当に他の国より「優秀」なのか、疑っているからだ。以前、OECDの一般成人を対象に、科学的知識のテストをしたところ、日本は20数カ国中ほとんど最下位に位置していたことがある。もちろんテスト内容は単に知識を問うものにすぎないから、これだけで日本人が「劣等」であるとは決めつけられないが、少なくとも小中学生の優秀神話が大人には当てはまらないのは事実である。多分日本人は、高校を出たあたりから、学校で得た知識を急速に失ってゆくのではあるまいか。北欧人などに比べ、図書館の利用率も低いようである。米英には、サイモン・シンのような優れたサイエンスライターが職業的に成り立っていて、そのいくつかは日本でも出版されている。最近では暗号だとか、リーマン予想、フェルマーの定理に関する著書が出ている。こういった書物を渇望する広範な読者がいると言うことである。日本では竹内何とかとか、立花なんとかみたいな、うさんくさいのが幅をきかせているだけに、彼我の差を感じる。アングロサクソン侮るべからずと思う。それが近年の金融資本主義における勝利につながっているといえば言い過ぎか?

(無題)  2007/12/04(火) 20:56:13
  今日ホームセンターで灯油を買う。18リッター1620円也。数年前は巡回の販売車が♪日石三菱どんひゃららとか歌いながら、たしか690円で売っていたに、つくづく高くなったと思う。重油と灯油をまぜると「偽造軽油」ができあがるが、そのせいかしらぬが、軽油は灯油とほとんどつかず離れずの値段というのが正常らしい。すると、現在の中部商品市場の軽油値段は全くアテにならないのである。現実の市場をみれば、明らかに安すぎる。誰か実需で中部商品のを現受けすればいいのに。まあそんな考えで建玉しようとすれば、「場が薄いので」瞬時に暴騰すること請け合いである。一丁相場を作ってみてはいかがか? それにしても、軽油先物が廃れてしまったことは誠に残念至極である。重油を上場しても同じ事になるのだろうか? で、いったいその原因は? 未だに誰もその回答を教えてはくれない・・・

(無題)  2007/12/03(月) 20:09:13
 うかつにも先月中にガソリンを入れておくのを忘れてしまった。リッター150円也。


11月成績 商品57,850円 為替220,343円(sp111,191円)

ふりむけば・・・・  2007/11/29(木) 20:12:04
  野口悠紀雄氏が新著『モノづくり幻想が日本をだめにする』の中で、外資が金融セクターに入ってこない日本は、このまま没落していくだろうと予想していた。確かにイギリスは主要金融業が外資に席巻され、ウィンブルドン現象といわれたが、おかげでその経済は急激に復興した。1990年頃、イギリスの国民一人あたりGDPは日本の半分であった。隣のアイルランドはそれ以下であった。今、イギリスもアイルランドも日本を上まわる豊かな国となっている。
 そういえば、日本の近くでも、金融セクターにウィンブルドン現象が起きた国がある。そう、韓国である。アジア通貨危機で韓国経済は破産寸前に追い込まれたが、大統領制の強みを生かした意志決定の早さで、金融に徹底的に外資を導入した。韓国は欧米金融資本の植民地と化したと日本のウヨは愉快がったが、その後どうなったか。現在、韓国の一人あたりGDPは、いつの間にか台湾を抜き去り、日本の六割である。すでに1990年頃の日英の差よりも近づいているのである。
 いろいろ考えさせられる話ではある(笑)

(無題)  2007/11/28(水) 20:29:15
  片山杜秀氏は音楽評論家だと思っていたが、本職は政治思想史の研究者らしい。不覚にも気づかなかったが、講談社から『近代日本の右翼思想』という本を出している。中では、安岡正篤にふれた章がおもしろかった。安岡といえば、今でも書店などで、社長さんやリーダー向けの啓蒙書などで、崇拝者の解説本のたぐいが出ているが、正直私にはどこがありがたいのかわからなかった。言ってみればきわめて常識的で(でもはなはだしい権威主義で私には性に合わない)、そこがある種の人たちに受けるのだろうと思っていたが、どうもこの本によると、本格的な右翼思想家からは、かなり評判の悪い、というより俗物視された人らしい。これでは崇拝者も形無しであるが、本格的右翼はある意味体制変革志向を持つから(昭和戦前期は特にそうである)、すべてを心の問題に帰着させてしまう安岡が偽物視されるのも仕方がないように思われる。片山によれば、安岡は大正教養主義の右翼版とのことである。さらに驚くべき事に、戦後安岡はあちこちに出かけて講演にいくのを「巡幸」と称していたそうである。右翼らしからぬ不敬なことだが、安岡によれば「眞自我=至尊」だそうであるから、優れた人格を持つと自認する安岡が自らを(精神界の?)天皇とみなすのは、別段不思議ではないのである。

教職大学院 19校認可  2007/11/27(火) 19:35:44
 わはははは

(無題)  2007/11/26(月) 21:36:32
 電話で、外貨ファンドなるもの勧誘を受けた。ものは試しに資料を請求してみたら、この会社はほかにレジャーホテルファンドとか、ベトナムファンドとかを運用するのだという。まあ、まず金は返ってこないだろう。昔、エンゼルファンドネットワークなる物の資料を請求したら、それからしばらくの間、資料がいつこく送られてきた。こちらは、金利の制限がない韓国のサラ金で運用するのだという。しばらくして、首謀者は逮捕された。未公開株の勧誘も受けた。後でその会社を調べて、「お宅の会社の未公開株が売られてますよ」と教えてやったが、どうも要領を得ない。もしかするとグルかもしれない。グルといえば、未公開株でこんなにもうけましたという本もまた、一種の詐欺の小道具かもしれぬ。

(無題)  2007/11/24(土) 19:41:04
  野依良治氏が座長をつとめる教育再生会議が「高卒学力テスト(仮称)」導入を提唱したそうである。テストに合格しないと大学受験ができなくなる仕組みだという。フランスのバカロレアのようなものか。しかしたぶんこの制度を導入しても役人の天下り先を増やす以上の効果はないと思う。
 たとえばフランスのバカロレア試験にしても、ナポレオンがこの制度を創出した頃は全国民のわずか1%位しか取得できなかったが、今はほぼ70%が取得している。現代社会における教育水準からすればこれは当然のことである。日本を他の先進国よりも飛び抜けた低学歴にしないためには、日本もおそらくそれぐらいの合格率は確保しなければならないだろう。となると、事実上、選抜の意味を持たせることはできず、今までの「高卒」資格と大差ないことになる。試験をやるだけ無駄である。
 一部の識者は今の大学生は大学生に足る知識を持っていないと嘆くが、大学生に高校の補習をするようなことは全然問題ないと思う。なぜなら高校で学校を終えればその人は高卒の学力すら実はついていないという事だからである。ようはその人が18歳で就職するより、4年間の教育投資をしてそれに見合う賃金の上昇があると思うなら、進学するのが正しい選択なのである。またそういう期待に応えない大学は、市場原理に任せれば勝手につぶれるだろう。
 近年のゆとり教育による学力崩壊を懸念する向きもあるが(それは実はそうではないのだが)、だいたい今の企業は就職時にリクルートのSPIで国語と数学の基礎学力をちゃんと調べているから、わざわざバカロレアのようなものを全国一斉にやるのは税金の無駄遣いだろうと思う。野依さんはノーベル賞受賞者だが行政官ではないから、率直にいって天下り先拡大を謀る文部科学官僚に乗せられた感が強い。

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