娘・息子の悲惨な職場 2007/11/23(金) 21:27:42 |
| 週刊エコノミストに連載されていたルポが本になった。小林美希『ルポ 正社員になりたい〜娘・息子の悲惨な職場』である。最近急増している非正規雇用者の厳しい現状を報告している。公務員関係でも埼玉県志木市などは職員の9割を非正規雇用にするとうちだしており、公共セクターを含め雇用者には厳しい時代になるであろう。これに対し、かつての終身雇用を中心としたセイフティネットの復活を望む声も根強いが、私の予想では、格差社会は是正されず、むしろ食費家賃等生活必需品が廉価になる方向に進むと思う。しかしいずれにせよ30歳までには何とか正社員の職にありついた方がよいのは間違いない。さもなくば資格で食っていくか。私の職場に、地理学の修士課程を出て職がなく時給800円のバイトをしていた20代後半の男の人がいたが、任期が切れた後どうしているのか知らない。正直言って専門にこだわるよりパチンコチェーンでもサラ金でもいいから正社員として潜り込んだ方がいいのではないかと思った。 なお本のタイトルは、雑誌連載時の「娘・息子の悲惨な職場」がキマッテルと思った。こちらを題名にして「正社員になりたい」を副題にした方がよかったと個人的には思うが、エコノミストが50〜60歳男性を主要な読者としているのに対し、本では、若い人にも手にとってもらうために、このようなタイトルにしたのであろう。 |
(無題) 2007/11/22(木) 21:56:48 |
| 普段テレビをあまり見ないので見逃してしまったが、NHKでヤクザマネーの特集があったらしい。アングラマネーが利殖と資金洗浄をかねて証券市場に流入するのは今に始まったことではないが、最近は少なからぬネットトレーダーがヤクザに雇われて、彼らの資金を運用しているとのことである。ヤクザの資金を運用するとなると、ちょっとでも資金を減らせばコワイ追い込みがかけられると思いがちだが、実際そのような条件なら、運用に応ずる人などいるのだろうか?稲川会の故石井進元会長は東急株で大損したと言うし、案外、ふつうの私募ファンドのトレーダーと同じような条件なのかもしれない。もちろん一定以上の成績を上げなければ首ということである。トレーダーの代わりなどいくらでもいよう。 2ちゃんねるのアウトロー板には現役のヤクザどもも多数書き込んでいるようだが、彼らが意外に番組にしらけた態度を示しているのがおもしろい。仕事柄怪しげな土方まがいのヤクザを見かける機会も多いが、はっきり言って大多数の暴力団どもにとって、NHKや夏原武などがおもしろおかしく描く経済ヤクザの華やかなシノギとは無縁の世界である。つまりはヤクザ社会においても格差社会は深刻なのである。 |
(無題) 2007/11/21(水) 21:43:51 |
| 最近、サクソバンク系のFX会社で、ISKJPYが取引できるようになったようである。アイスランドクローネは、先進国随一の高金利通貨だそうだが、アイスランドの人口はせいぜい20万くらいではないか。こうなるとほとんど商品券を買うようなものである。ソブリン債を見る限り、インドネシアルピアとかフィリピンペソもかなりの高金利であるが、取り扱いには時間がかかるであろう。そうはいっても、今回のような円高になれば、スワップ益は吹き飛んでしまうわけだが。 |
(無題) 2007/11/19(月) 22:26:56 |
| 千葉の山中におからが不法投棄されていたとのニュースがあった。大豆の国際相場がまれに見る暴騰を続ける昨今であるが、それでも日本のおからの約半分は利用されることなく放棄されている。もったいないことだ。おからはたまに食べるとおいしいんだけどな。何とかうまい利用法はないものか。 |
(無題) 2007/11/17(土) 11:44:19 |
| 黒石市の純金こけし売却の話を書こうと思ったらすでにさやえんどうさんが言及されていた。確かに思わず何かを感じてしまう話ではある。今改めて調べてみると、このこけしはやはり「こけし館」の人寄せパンダになっていたみたいだ。最低入札価格は1億9千万とのことであるが、昨日の当限価格で時価を算出してみると1億6300万あまり、ここ数日でだいぶ価値が吹き飛んだようである。こけしにどれくらいのプレミアムがあるのか知らないが、入札日の30日までに金が暴落していると、不落と言うことも考えられる。こういう物でも、やはり事前に最低価格を提示しなければならないのだろうか。入札当日に、そのときの相場で最低価格を決めるわけにはいかないのか。こういうところでまどろっこしいのがお役所的ではある。売り時を失ってまた塩漬けなんて事にならなければいいが。 |
(無題) 2007/11/15(木) 20:36:20 |
| 辛口評論家ベンジャミン・フルフォード氏が、ブッシュ大統領は退任後、誤った情報でイラク戦争を開始した罪で逮捕されるだろうと予想していた。意見を持たず長い物には巻かれるのをよしとする日本人「知識人」には予想すらできない出来事だが、西洋人はこれくらいやってのけかねないところがあり、だからこそかの国々で民主主義や科学的精神が育ったのであろう。私は民主党が政権を取れば、フルフォード氏の予想は、案外当たるのではないかと思う。大統領退任後1年以内に、なぜイラク戦争が開戦されなければならなかったかについて徹底した調査が行われ、旧政府の高官が何人も獄につながれるのを我々は見ることになるかもしれない。よく日本人は世界で非常識なお人好し民族と保守右翼の評論家がいうが(だからもっと強硬外交をやれと言うのが彼らの決まり文句である)、日本人が外国に対してお人好しであるという外国人は一人もいない(金美齢、黄文雄をのぞく)。しかし日本人が権力者に対しお人好しであるのは実際外国人はよく指摘するし、たぶん欧米人よりはそうであろうと私も思う。 |
(無題) 2007/11/13(火) 22:03:53 |
| 管賀江留郎『戦前の少年犯罪』(築地書館)を読む。世間の印象とは裏腹に、少年の凶悪犯罪は戦前から1960年代までの方が今よりもむしろ多いことは知っていたが、この本を読むと、キレやすい少年は戦前からの問題である事が改めて確認できる。最近の評論家風情の議論(ことに非行原因を戦後教育の堕落に求める保守系のそれ)がいかに事実無視のでたらめであるかを実感できる書物である。著者によれば、子供に厳しいしつけをを施すのは決して日本古来の伝統ではなく、むしろ近代になって西洋とともに入ってきた新しい習慣であるという。大いにありそうなことだが、私はおそらく西洋でも、100年以上前は今よりもずっと子供を甘やかし、倫理的に問題のある状態においていたのではないかと推察する。それというのも、ゲーテが母に、「子供に小鳥の首を落とすギロチンのおもちゃを買ってくれ」と書き送った手紙があるのを知っているからである。まずそんなおもちゃがあることに驚くし、ゲーテのような知識人がそんなおもちゃを子供に買い与えて当然と思っていることもいぶかしい。歴史をよく知っている人ならば、だいたいにおいて昔の方が上から下まで「人でなし」の行為が多いのに、誰もが了解するであろう。やたら「昔の日本人」とやらを理想化する右翼系知識人のたわごとを信用してはならない。 |
(無題) 2007/11/12(月) 20:09:49 |
| PHPのビジネス雑誌THE21の特集、「金持ち社員VS貧乏社員のマネー習慣」を読んでいたら『33歳で資産3億をつくった私の方法』(三笠書房)を書いた牛堂登紀雄さんが寄稿していた。現在不動産のほか、株、商品先物、FXをやっており、取引会社は、大和証券、サンワード貿易、「アルファエフエックス」だそうである。
まあ、3億稼いだ人にとっては蚊に喰われたようなもんか・・・ |
(無題) 2007/11/12(月) 18:52:19 |
| 水月昭道『高学歴ワーキングプア』光文社を読む。ニートが英国発祥の言葉であるように、若年層の失業率の高さは日本だけではないが、これといった目的もなく大学院に進んで、その結果就職がないという現象は、日本特有の現象であると思われる。本書はそういった高学位のワーキングプアに焦点を当てている。文系の大学院は、進学すればかえって就職がなくなるのは、今に始まった問題ではないし、大学の非常勤講師がきわめて劣悪な労働条件の下にあるのも、知られた話である。しかしここ数年の、大学院拡充計画で、状況は一層悪化した。特に地方の新興私立大学の博士課程を出ても、それを生かして常勤の職に就く可能性はほぼないのである。著者は、大学院拡充計画は、実は大学に天下り職を確保したい文部科学官僚が、私立大学を延命させるために行った、陰謀にすぎないという。確かに、法科大学院、会計職大学院等も、単に大学の経営確保のために、学生を引っかけたにすぎないとも考えられる。元々日本には、高学位(ことに文系のそれ)の人間を使いこなす社会的風土など皆無なのであろう。 とはいえ、せっかく作られた大学院が消えてなくなるわけでもないし、使いようによっては、生涯教育の拠点ともすることができる。最近私はある人物と会う機会があったが、その人の肩書きがすごい。博士(法学)・MBA、行政書士・社会保険労務士、その他10いくつもの肩書きを並べていた。学位はいずれも無名私立大学から授与されたようであるが、たぶん本人は仕事のため熱心に勉強して、法務税務会計に関する実学的知識をため込み、その証拠として学位を得たのであろう。それならば十分意味あることと言うべきである。また、人生をリタイアした人が大学院に入学して趣味としてライフワークを完成させ、学位をもらう人があってもよい。このような形でなら、新設私立大学の博士課程も意義があろう。 |
(無題) 2007/11/10(土) 15:59:08 |
| エフエックス札幌に続きアルファエフエックスが破綻した。すでに社長らはずこかへ逐電したとのこと。この社長が書いたという通貨マフィアがどうしたとかいう本は見かけたことがあるが、本を書くような相場師は相場では食えないという定説が立証されてしまった。サブプライム問題の余波とはいうが、打撃を受けたのはこの2社だけではないはずで、破綻予備軍はもう数社あるかと思われる。ましてここ数日相場が荒れたから、これによりプッツンしたところも出たのではないか?こうなると一種の取り付け騒ぎも予想される。それにしてもエフエックス札幌の自己資本規制比率は確か500%を超えてたはずで、それなのに金を預けていた人はほとんど返ってこないようであるから、この数字もアテにならないといわざるを得ない。為替業界は成長を続けていたとはいえ、最近は過当競争の傾向もあり、経営基盤の弱いところは一層淘汰されるであろう。 |
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