季節 さんの日記

新しい10 昔の10  100新しい方へ移動 100昔へ移動

(無題)  2007/10/22(月) 23:26:13
  朝日に柄谷行人氏が、オッペンハイマー著『人類の足跡十万年史』(草思社)とウェイド著『5万年前』(イーストプレス)の書評を書いていたので、早速読んでみた。両者はともにホモサピエンスの歴史を描いているが、彼にとっては、『5万年前』の中にユダヤ人の知能が高いのはここ数百年の選択淘汰のためなどという記述があるのがいたく気に入らないらしく、後者の本は驚くべき人種差別の本であり、それに引き換え前者は同じ題材を基にしているのに、科学的なマトモな本であると評していた。つまりそれだけ議論を呼ぶ本だということであろう。
 『十万年史』は、いわゆるミトコンドリアイブとY染色体の研究に基づくホモサピエンス拡散の歴史である。しかしこの内容自体はいまや類書がたくさん出ており、詳しさを別にすれば、そう新味のある内容ではない。むしろこの本の主張の白眉は、いぜん私が眉唾と評した「人類は5万年前に突然完全な言語をしゃべるようになり、行動学的現代人が誕生した」という主張にはっきり異議を唱えている点である。著者オッペンハイマー氏が、このような説は進化論ではなく創造説だといっているのも、私が「キリスト教的創造説」といったのにぴったり当てはまっていて面白い。
 『5万年前』のほうは、その題名からもわかるとおり、「創造説」の側に立っており、この説の主唱者クラインの説に沿って、いくらか穏当に述べたものである。そうはいっても一概にトンデモではなく、かなり興味深い主張が展開されている。そのひとつは、人類の知能やパーソナリティは、今もなお進化し続けているであろうというものである。5万年前の突然変異で真人間になったというのがこの人たちの主張であるが、さらに進めて、3万年前と、6千年前にも脳に影響を与える突然変異があって、3万年前の遺伝子は欧米人とアジア人に広がり、6000年前の突然変異は、中東から欧米人に広がっているという。勘のいい人ならば、この説に何かを感じることであろう(笑) ヒトラーならば、6000年前の遺伝子を「文明創造遺伝子」と名づけるに違いない。
 それはとにかく、人類の精神面が意外にここ数千年単位で生物学的に変化しているということは、もしかすると大いにありうるのかもしれない。少し前にアメリカ人の遺伝子には、冒険心や好奇心の強いタイプが多く、日本人はそうでないという研究が雑誌に紹介されて、かなり多くの人を戸惑わせた。今のところこの研究に反論は出ていないようだし、日本の識者の多くはこのけっこう重大な事実を黙殺している。しかしこの違いは、ここ数百年の「アメリカ資本主義」の強い淘汰圧でおきたのかもしれぬ。事実ヨーロッパ人の好奇心の遺伝子のタイプは、日本人のそれとそう違いはないからである。
 最後にひとつ。『十万年史』には京都大学霊長類研究所にいたという松村秀一氏という研究者が解説を書いているが、最近の古人類学のDNAに基づく研究についてのありきたりの紹介に終始していて、オッペンハイマーが強く主張している、アンチクライン・ピンカー・チョムスキー説すなわち言語早期出現説(言語・脳共進化説)に、一言半句も触れていないのは、この本の主張の大きな部分をはずすものといわざるをえない。日本の学者は議論になっていることには沈黙して中立を守るという、相変わらずの小心ぶりを露骨に見せられるような感じがして、実に物足りなく感じた。

(無題)  2007/10/21(日) 22:43:41
  新司法試験が始まって以来、弁護士の就職難が現実化してきた。業界では、法務省の3000人合格計画に反対の声が続出している。しかし3000人合格者を出しても、法科大学院の卒業生のおよそ半分は「三振法務博士」になるのだがら、養成機関としては失敗としか言いようがない。結局アメリカの制度を中途半端に真似たのが、諸悪の根源なのである。
 周知のとおり、アメリカの弁護士とは、日本の弁護士のほか、司法書士、行政書士、税理士といった職種をあわせたものである。ヨーロッパでは、日本と同様に,法律資格職が細分化されている国がかつては多かったが、最近はそういう資格を統合して、アメリカにあわせてきている。日本もアメリカ型(すなわち世界標準である)にするのであれば、まずこういった資格を統合することから始めなければならないのは、子供でもわかる論理である。それをしないのは、司法試験という難しい試験(それもかなりの程度丸暗記に依存する)に突破することを最高の権威であるとして絶対視するという、日本的な子供じみた価値観に、行政も弁護士たちもとらわれているからに過ぎない。
 弁護士を増やせば質が低下するというが、そもそもアメリカ型の司法制度を導入するというのは弁護士を「ピンキリ」にしようというのであるから、いわば当たり前のことである。法律事務は、その多くはむしろ定型的なもので行政書士ぐらいの能力でも十分可能である。事実アメリカの弁護士の多くは行政書士のような仕事しかやっていない。それはそれでいいのだ。私は、せっかく作って法科大学院を無駄にしないためには、法務博士で司法書士、税理士、行政書士、税理士、社会保険労務士などを一定年限勤めれば、一律弁護士の資格を与えてやってもいいのではないかと思う。弁護士なんて、所詮その程度のものにすべきなのだ。

(無題)  2007/09/29(土) 22:46:25
 今日で9月分の集計が出来た。しばらく日記は中断しよう。

9月計 商品12,200円 為替-44,413円(sp37,235円)

(無題)  2007/09/28(金) 22:30:32
  1ヶ月間も 、自分が考えていたポジションとさかさまの玉を持っていたことが明らかとなった。どうも変だと思っていたが、実に10%近い損失である。ショック。

(無題)  2007/09/28(金) 00:26:58
  ビルマの民主化要求デモで日本人カメラマンが死亡したらしい。かの国もいよいよ容易ならざる事態になったが、外国の意識あるマスコミが軍事政権の名乗る「ミャンマー」という名称を嫌いビルマと称しているのに、日本ではミニコミのようなところを除いて政府も報道機関も「ミャンマー」と称しているのは、日本人の信念のなさの現われと受け取られてもしょうがない。ことにウヨの連中が外国の民主化について口角泡を飛ばしている対象は、中国北朝鮮といった、彼らの言うところの「特定アジア」に対してだけであって、タイやシンガポールやブルネイやアラブの王国に対しては、何一つ言及しない。所詮彼らの言動は党派的なもので、心から外国人の人権や民主化にシンパシーを持っているわけでないのは歴然としている。所詮ウヨはその程度の存在なのだ。
 しかし正直日本人がこんな調子でいるかぎり、北朝鮮の拉致被害者を救出すべく諸外国に団結と支援を呼びかけて、今ひとつしらけた反応しか帰ってこなかったとしても、ある意味自業自得であろう。

(無題)  2007/09/26(水) 23:35:56
  時津風部屋で急死した力士が、実は親方や兄弟子たちから暴行を受けていたという。相撲といえば、「無理偏にげんこつ」の世界だから、こういうことも昔からありそうだし、現に千代の富士が現役時代に時分の部屋にいた北天佑の弟をリンチしたとかうわさになっていたことがある。しかし死者が出たのは初めてではないか? いや、今までは稽古中の急死ということでごまかされてきたのかもしれん。
 考えてみれば、相撲の世界は、江戸時代から基本的な組織の仕組みが変わっていない。幕下以下は給料ももらえず、基本的には住み込みである。今まではそれでごまかしが利いたのかもしれないが、果たして今後もこれで持つのだろうか。前近代的な部屋制度の根本から見直さなければいけないように思われる。

「ロンドンの銅買いませんか?」  2007/09/25(火) 23:04:15
  少し前、ロコロンドンの金をやらないかという投資のお誘いの話の中で、さすがにロンドンの銅を買わないかという業者はないようだと書いたら、最近ついに(ロンドンかどうかは知らないが)日本で銅が証拠金で売り買いできるようになったようだ。名づけて「商品CFD」という。何でもあるFX会社では、金・銀・原油・銅がFXと同じように売買されるというのである。
 これが本格化すれば、商品先物に強力なライバル出現といったところだが、どうです皆さん、やりますか(笑)

(無題)  2007/09/23(日) 22:57:15
  今日は朝日に載っていた「耕論」の感想を述べようと思ったが、掲示板の方で「天才」談義が持ち上がっていたので、そちらのほうに関しふと感じたことを書こう。
 天才相場師と一言で言うが、私はこれには二つのタイプがあると思う。ひとつは、ある一時期ものすごい成績を上げるが、失うときはすっからかんになってしまうタイプである。もうひとつは、人知れずこつこつと何十年も利益を積み上げている人である。マスコミに派手に取り上げられ、世間でイメージする天才相場師は、ほとんどが前者ではないだろうか。その典型が是川銀蔵である。
 是銀は、晩年には所得税を滞納して印税を差し押さえられ、彼自身「株で儲けた金は一銭も残っていない」といっていた。実際は是川奨学基金を残しまた大阪市などに多額の寄付を行っているから、彼の生涯成績がマイナスであったとは考えられないが、彼が基本的に「相場で得たものは相場に返す」という考え方の持ち主であることは間違いない。彼に限らず、有名相場師は概してこれに近い考えのようである。彼らにとって相場は遊びであり、それで得た金はあぶく銭なのである。それだから、相場を否定する人たちからは、「それみろ。あの有名相場師だって最後はすっからかんではないか。だから相場で儲けるなんてことは出来ないのだ」といわれてしまうのだ。
 しかし、マスコミに現れない、もうひとつのタイプの「天才」相場師は、前者ほど派手に成功はしないだろうが、間違っても「相場の利益を相場に返そう」とは思わないだろう。なぜならそれが唯一の収入源だからである。その代わり彼らの成績は比較的コンスタントである。
 どちらのタイプを尊敬するかは、人それぞれだろう。しかしギャンブル嫌いの私としては、後者のほうに共感を覚える。ギャンブル好きの人が相場に向いているかどうかは、プロの世界でも両説あるが、私は向いていないと思う。かつてのコテハン珈琲相場師さんも同じ説だった。ちなみにケインズ(彼も商品相場で利益を上げて後に男爵に叙せられても恥ずかしくないくらいの富を得た)も同じことを言っている。「プロの投資手法というものは、耐えられないくらい退屈なもので、全くギャンブルに対して興味がないような人に最も向いているね」

(無題)  2007/09/22(土) 20:02:42
  フランスにある国際キログラム原器が0.05ミリグラム減っていたそうである。1キロ金塊にすると約13銭分である。もっとも、1キロバーにももっと大きな誤差があるだろうが。これが「原器」であるだけに、正式には1キロの重さが減ったと解釈しなければならないのである。そろそろ新しい定義に変えたほうがいいですな。
 ところで金は今はフォーナインが標準であるが、一昔前はスリーナインだった。その頃作られた金の延べ棒はやっぱりいくらか割り引かれるのであろう。確か中国では、スリーナインの市場もあるはずである。例のパンダ金貨もスリーナインである。ミニ金も最近出来高が上がってきているが、いったいどういう人がやるんだろうか。

バイカイ付け出し廃止  2007/09/22(土) 13:31:57
  先日、今まで取れていた中部大阪アルミの2円の鞘が突如取れなくなり(ふたを開けてみると-2円の損切りに終わった)さすがにこの市場からの撤退を考えているが、ふと中部大阪のHPを見ていたら、5日から、システム化導入によりバイカイ付け出しを廃止し、全て場にさらすことにしたとの事。なるほどそういうことだったのか。しょうがないな。

新しい10 昔の10  100新しい方へ移動 100昔へ移動

一覧へ戻る