金の延べ棒偽造犯つかまる。 2007/06/05(火) 20:31:12 |
| 東京で、金の延べ棒を偽造していたグループがつかまった。金の比重に近いタングステンに金を覆うという単純なつくりであるという。それでも10数件の被害が出たといい、被害者は当然専門の貴金属商であろうから、こんな単純なしかけでも、ちょっと見には見分けのつかないものであるらしい。実際、エックス線鑑定機でも、本物の金であると鑑定されたという。この事件で思い出すのは、経済混乱があった旧ソ連やアルゼンチンでの出来事である。いずれも、経済パニックで通貨の信用が急激に失われたが、では、金は代わりになったかというと、実はぜんぜん役に立たなかったというのだ。とにかく、金の延べ棒や金貨は、偽モノとの区別がつかないので、受け取ってもらえないのだという。まあ、タングステンに金をまきつけたくらいで、専門商も容易にだませる出来のものが出回るくらいであるから、それもむべなるかなと思われる。ところで、以前ブロイラーが華やかなりし頃、受け渡し品に、規定とあわないニセモノが渡されたとして、問題になったことがある。なんでも、中国産だったらしい。では、東工取の金は大丈夫なのか?近々ミニ金が上場するそうであるが、そろそろニセモノをつかまされる人も出てくるかもしれない。 |
(無題) 2007/06/01(金) 20:36:05 |
| ここのところ続けて談合批判を展開したが、結局のところ、談合がはびこるのは、価格を高値どまりさせるほかに、受注を確実にして収益を安定させるためであろう。となると、これも一種のヘッジということになるが、市場を通じたヘッジのほうが、経済的に公正で合理的であろう。
5月の結果 商品64,370円 為替129,019円(sw41,907円) |
『談合業務課 現場から見た官民癒着』 2007/05/31(木) 22:44:07 |
| 2年ほど前、光文社から出た本である。著者鬼島紘一氏は東大を卒業後、大手製鉄会社を経て大林組に転職し、現在会社経営の傍ら文筆業に従事している。通常、談合といえば、官発注の時に起こるものであると考えられていたが、この本を読むと、土地の売却でも、あからさまな不正が行われていることが、赤裸々に語られている。実際この本では、大林組は、土地を買いたい人間にとって、競争相手の入札価格を聞き出すための有力アドバイザーとしての役割を果たしている。なぜこんなことが可能になるかというと、それぞれがさしいれる入札保証金(これは入札額に対する一定のパーセンテージ以上とされる)が、なぜか事前に漏れるからである。要するに、売り手たる官から、大林組などゼネコンに天下りした元役人に、情報が漏れているのである。もれなくなれば、官僚たちは天下りのポストを失うのだ。 この本の中では、不正な情報を元に入札価格を入れることを拒否した富士ソフトがスッ高値で両国の土地を落札したり、八重洲の土地の入札に参加した香港の企業が、情報が漏れているのを怪しんであえて入札保証金を多めに入れて、ライバル企業に高値掴みさせたり、非常にスリリングで推理小説よりも読ませる出来である。これほどの本がほとんど話題にもならず、程なく絶版になったのは、日本の社会において、マスコミを含め触れてはいけないという暗黙の了解があったとしか思えない。こういう本を読むと、日本はどうみても「シナを哂う」資格などありはしない。香港の企業はさぞかしあきれていたことだろう。 |
公共事業と×× 2007/05/29(火) 21:21:01 |
| 公共事業にともなう入札がほぼ100%××××××××××××××××××、もちろん大多数の役人はそれにはタッチせず、利益ももらっているわけではない。しかしながら、ごく一部の中に、予定価格を漏らしたりして対価を求めるやからもいるのであろう。土木系の技術職の中に、たまに突然退職する人間がいるが、おそらく内部で発覚して、警察沙汰になる前にひそかにやめさせたものと思われる。こういう、予定価格を漏らすの類は、もっとも現場の職員の不正であるが、もう少し幹部級の人間になると、官製談合の調整役などもやるようである。そんなわけで事業官庁というのは、みな腐敗の要素があるのであり、国土交通省はもちろんのこと、農水関係でも、農業土木など、ゆがんだ部分というのは存在する。林政官公庁などは「緑と環境をまもる」などという一見、市民受けしやすいクリーンな印象を与えるが、本質は(ほとんど取るに足りない)木材産業、治山林道業界と、あとは自分たち自身の雇用のためにあるといっても過言ではない。 |
松岡農相自殺 2007/05/28(月) 20:58:43 |
| これはまず、還元水がらみではなく、林野庁談合事件に絡むものでしょう。私も知らないわけではありませんから。 |
高松塚解体 2007/05/25(金) 22:15:47 |
| 高松塚が解体された。こんなことを書くと年齢がばれてしまうが、私は高松塚が発見されたときのニュースを、かすかに覚えている。テレビに、鮮やかな婦人群像が映し出され、母親が「これは昔の人の墓だ」と説明したのを聞いて、これのどこが墓なのかといぶかしがったのを思い出す。そのときの婦人像も顔すらわからない無残な姿に変わり果てた。おそらく発見されてから1年後には、尋常ならざる変化が観察されたはずで、20年後にはどうなってしまうかを、容易に予測できたであろう。いったい、文化庁の小役人たちは、何を考えていたのであろうか。 私は、何を隠そう某公的機関に勤めている人間であるが、出来の悪い役人のひとつの特徴として、案件を塩漬けにしてしまうやからがいる。そうやって自分の異動をひたすら待つのである。驚くべきことに、役所の出世システムは、仕事の能力とは全く連動しないから、こんな人間であっても、たとえば庁内報が高度に丸暗記できれば、何一つとがめられることなく出世してゆくのである。(都道府県などでは出世の基準は、基本的に過去1年の庁内報の丸暗記の度合いで決まる。)最近は県庁にも、たとえば東大物理学科出などが何をトチ狂ったのか、配属されたりするが、こんなのが出世基準であるから、いくら彼の地頭がよくて仕事が出来ても、丸暗記でマーチ諸君に敵わなければ、出世することは全くない。こんな連中に任せているから、高松塚古墳の壁画は、永久に失われることとなったのである。嗚呼。 |
相場の才能と事業の才能 2007/05/24(木) 23:09:31 |
| 相場で成功するひとは、社会に出ても成功するという話がある。「成功」の程度をどの程度のものと考えるかにもよるが、両方で「大成功」を収めるのは、単純に確率の問題から言っても難しい。知られている中で両方で最も成功したのは、寺町博氏ではなかろうか。この人は、日本トムソンの創業者で、会社を上場するまでにこぎつけた技術者だが、また同時に、株と商品の世界で有名な相場師でもあった。しかしあるとき株で大穴を明けてしまい、日本トムソンを人手に渡してしまった。しかしあらためてTHKを立ち上げて、これもまた上場させたのだから恐れ入る。フジフューチャーズのオーナーでもある。この人以外で、いわゆる仕手筋の人で、事業家として一流の人は、あまりいないのではないか。一方、武富士のオーナーだとか、リクルートの江副氏とかが、事業をセミリタイアしたあと、商品先物に参戦したとか言ううわさを聞いたが、あんまり大もうけしたという話は伝わってこない。二つの才能を兼ね備えるのはなかなか難しいようである。 |
日本の労働生産性は先進7か国中最下位 2007/05/23(水) 21:31:17 |
| だそうである。もともと日本のホワイトカラーの労働生産性がそれほど高くないのは知られていたし、今回発表されたようないわゆる購買力平価で計測すれば物価の高い日本はいっそう不利になる。この発表を受けて、政府ではホワイトカラーの働き方について抜本的な改革を目指す所存のようだ。しかし、この低さは、結局のところ最近順位低下の著しい一人当たりGDPの少なさを、別の仕方で表現したものに過ぎないのではないか。となると、単に労働者の働き方の問題ではなくして、日本社会のルールの根本的な部分に原因があるのではないかと思う。たとえば、この国は詐欺に対し非常に甘いので、経済資源のかなりの部分が詐欺の小道具として使われているし、談合やサービス残業の横行に代表されるような、法の支配の不備も著しい。(日本を欧米に比較するとき、すくなくとも日本は中国の人治主義を笑う資格はない)結局のところ、日本人は法を使って争うということをしないから、こんな違法行為がまかり通るのであり、その原因のひとつに法的サービスの供給が少なすぎるという点にある。司法試験受験生が丸暗記競争をくりひろげても、法的サービスの向上には全くつながらない。アメリカのように、丸暗記などそこそこでよいから(単純比較は出来ないが、択一の問題はさほど複雑でもないのに、せいぜい6割出来れば合格で、8割の受験生がクリアする)ロースクール生のあらかたが弁護士となり、弁護士稼業で競争してくれたほうが、法的便益の改善につながるのではなかろうか。 |
あてにならないwikipedia 2007/05/22(火) 22:26:14 |
| Wikipediaの家康以前の松平氏の所を読んでいたら、とんでもないことが書いてあった。初代の親氏から、家康の祖父の清康にいたるまで、正式には「在原親氏」だの「在原清康」だの名乗っていたというのである。しかし、こんな名乗りは同時代文献ではまず見られないものである。松平氏の出自については、古く三代信光が賀茂氏を名乗ったことが知られており、また源氏を名乗ることもあったらしいが、現在広く流布している系図による、(源氏である)新田氏の分流としての松平氏という主張は、家康によってなされたものであることは定説である。はっきり言って松平氏を在原氏とつなげる説は、その家康よりも後代に現れた、取るに足りないものである。「在原親氏」だの書きこんだ人物は、そんな後世の取るに足りない説を聞きかじって、「正式の名乗り」などと称して彼の脳内にしかない人名をwikiに書きまくったのである。 困ったことに、この人物は、歴史上のおもに苗字で呼ばれている人物について、同じようなことを大量に書き込んでいるのである。なかには坂本竜馬ですら、源のナントカと名乗ったとかナンセンスなことが書いてある。私の見るところ、その半分以上は確かな証拠など何もないと思う。大体いわゆる「本姓」での名乗りは、中世以降、まず朝廷で官位を授かるときくらいしか使用しないのであるから、ごく普通の武士が「本姓」での名乗りを残していることのほうが珍しいのである。この半可通の御仁は、相当の系図オタクと見えて、おそらく各家の出自から考えて、このような本姓を名乗ったはずだとでっち上げたものだと思われる。しかし先の松平氏の例で見てもわかるように、出自伝承自体が当人が在世して頃よりはるか後に唱えられたものである場合もあるし(その場合はそのような名乗りは絶対にありえない)、かりに当人が生きていた頃の出自伝承があったとしても、真実その伝承のとおりの名乗りをしていたかどうかは別問題である。むしろ一般の武士にとって、本姓など無縁であっともいえる。したがって本姓による名乗りなど辞典の記述としては無用の長物、全部削ったほうがよいのである。要するに史料的裏づけのないことを書いてはいけないのだ。 この御仁の書いたナンセンスな書き込みは、さすがにすぐに削除されたものも多いが、あまり人が来ない項目では、1年以上にわたって誤った項目が書き込まれたまま放置されている。所詮wikipedia、多くの人はさして当てにしていないと思うが、時として全く愚にもつかないことが、長年改められないままもっともらしく記述してあるという好例であった。 |
国民投票法 2007/05/21(月) 22:09:00 |
| 憲法改正のための国民投票法が可決された。こちらの掲示板でも、ついに話題になったようである。日本人の今後の生活に無縁であるはずがないのだから、人々が関心を持つのは当然であろう。ところで国民投票法が可決されたことで、いわゆる護憲派の人たちは絶望し、あるいはいきり立ち、保守派の人たちは勝ち誇っているようであるが、私に言わせると、どうもそうは問屋が卸さないと思う。なぜならば、今度の国民投票法は、内容ごとに投票にかけるからである。となると、単独で章をなしている9条は、必ずそれ自体が切り離されて、国民投票の賛否の対象となるであろう。最近の世論調査などでは、9条については現状維持がおおむね50%おり、これに対し改正派は30%くらいしかいない。冷戦崩壊後、日本においては非常に保守化が進んだのに、なおこれだけの差があるのである。保守右翼が願望してやまない9条解体、国軍復活は、国民投票によるかぎり、永久に不可能ではないかとすら思われる。私などは「首相公選・一院制・9条維持」が理想の体制ではないかと思っている。多分これは国民投票では通るであろう(笑) 真実の意味で国民の敵は誰か?もはや多言を要すまい |
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