季節 さんの日記

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現代の物品貨幣 また  2007/05/07(月) 21:02:27
  金ETFのについてネットで調べてみると、運用会社が倒産しても、いわゆる倒産隔離のしくみにより、投資家の資産は保護されるという。しかし人々から集めた金で、ひたすら金を買い付けて、それを退蔵するだけでは、その倉庫料はどこから出てくるのだろうか。とにかく、何らかの「運用」をしなければ、設定会社は上がったりであろう。いにしえ金の兌換紙幣が流通していた頃は、中央銀行は、流通させた紙幣の数分の一しか金を準備しなかったという。実際のところ、集めた金を全て金にする必要はないと思われる。多分、設定会社のほうで何らかの資産を「劣後出資」して、金に出資された優先出資とまとめて運用するのではないか。もちろんその一部は金の先物の証拠金にあてるのである。金などコモディティの現物投資は、その性質上株やリートのような、経済成長による果実は望めないから、長期的には、設定会社は鞘を抜くことが出来るであろう。(もちろん皆さんがやっておられるような短期売買で儲けることが出来ないといっているわけではないですよ)

現代の物品貨幣  2007/05/06(日) 23:01:11
 リチャード・ニクソン大統領は、20世紀のアメリカの大統領のなかでも、世界史を勉強する後世の子供たちが最も記憶すべき人かもしれない。なぜならば、1971年のニクソンショックこそが、貨幣を発明して以来の人類の長い歴史で永久的に物品貨幣から別れを告げた記念すべき出来事だからである。それ以降のわれわれの通貨単位は、完全に抽象上のものであって、それは究極的には何物でもないのだ。だから、それに不安を感じる人が、陰謀史観にとらわれ、金本位制の復活を唱えるのも無理はない。そういう不安を和らげるためなのかは知らないが、最近、金ETFというものが出来て、近々東証にも上場するという。豊島逸夫さんのようなヘビーな金信者は、金の現物しか信用しないから、これとても紙切れに過ぎないというだろうが、多くの人にとっては、現物を保管したところで、盗難リスクもあるから、むしろ投資信託になってくれたほうが有用であることは否定できない。すなわちこれこそは、現代の兌換紙幣というべきであろう。そういえば、二十数年前、豊田商事の永野会長も、金の預り証というペーパーを発行していたなあ

異常値  2007/05/04(金) 00:06:29
  為替の取引画面を開いたら、突然値洗いが真っ赤となり、とんでもない損失が出ていた。みると売っているEURRON(ユーロルーマニアレウ)が7.8というありえない異常値を示している。すぐに取引会社に問い合わせたところ、追って連絡するとのことであった。しばし待つと「銀行に確認したところ、間違った数値でした」との返答。もちろんすぐに直ったのであるが、この場合、逆指値をしたら執行されてしまうのだろうか?悪質業者なら、自分に有利なときだけ、「相対取引ですからあくまで有効です」などと主張したりして。まあ、そんなことをすれば、悪評がたちまちネットを駆け巡るであろうが。この異常値は、マイナー通貨では結構出ているようで、チャートのあちこちに長大なヒゲが出ている。EURRONのチャートなど、そのせいでマトモな値動きがほとんど横一直線になってしまっている(笑)こんな通貨をわざわざやる自分も、なんだかなあ。

銅の値段  2007/05/02(水) 20:11:35
  最近LMEの銅が8000ドルを試す勢いである。かつて住商事件では、「ミスター5%」浜中の必死の買い支えによって2000ドルから3000ドルを推移し、それでも当局からしばしば市場操作について警告を発せられたのであるから、隔世の感がある。浜中がもし今に至るまで損失を先送りしていれば、きっと逆転大勝利していたのであろうが、それもたらればの話に過ぎない。浜中と元上司は、住商によって破産申し立てさせられたという。
 ところでLMEは、いわゆる普通の先物取引ではなく、基本的には相対の先渡し取引であるという。だから一般のイギリス人がLMEで相場を張ることは出来ない。そういえば日本の海外先物業者も、さすがに「ロンドンの銅買いませんか?」とは言わないようである。しかし近頃は「ロコロンドン」を取引すると称する業者が現れて、スワップポイントもつくらしい。要は詐欺のネタになればなんだってよいのであるが、金属取引が円貨で出来れば、かなり魅力的であるのはまちがいない。日本はニッケルでも銅でも地金生産と消費で世界の上位にあるのに、先物が寂れているのは残念な話である。浜中の元上司は、住商退職後、LMEを利用する人たちのためのコンサルタント業を始めたそうであるが、日本市場でも中大スクラップあたり、もっと街の金属商が気楽に利用してもらえたらと思うのである。

弁護士淘汰時代  2007/05/01(火) 17:45:38
  愛読誌『財界展望』6月号の特集は「弁護士淘汰時代」である。遠からず弁護士5万人体制になり、この世界にも勝ち組と負け組がはっきり分かれるであろうという話である。しかし競争が激化して切磋琢磨することは悪い話ではない。むしろ私が気になるのは、新司法試験制度のことである。鳴り物入りで法科大学院制度が導入されたが、これらの総定員が6000人ほどであるのに、新司法試験の合格者は3000人だという。となると学費だけで400万から600万かけ、機会費用もあわせれば軽く1000万かけても、弁護士になれる人は計算上はせいぜい半分くらいである。市場経済の国では考えられない無駄な制度といえないだろうか?まあ、旧司法試験についても、おそらくそれに挑戦した人の10分の9を無駄にしたばかげた制度であるが、こういう「東洋的科挙的」試験制度は、全く以て非生産的であり、改めてしかるべきであると思うのであるが、日本人は難しい試験に合格したことを最高の権威とみなす、度し難い傾向があるから、こんなことが黙認されるであろう。法的サービスの分野において、日本が国際的に没落してしまう日は遠くはあるまい。

4月の損益 商品 5,240円 為替68,552円(sw45,318円)

筋の通らない祝日  2007/04/30(月) 20:59:33
  昨日は今年から「昭和の日」であった。読売新聞の社説に(はっきり読んでいないが)「左翼勢力の抵抗を排して晴れて昭和の日になってめでたいことだ」と書いてあったように思う。しかし私に言わせれば、「昭和の日」ほど傲慢な、筋の通らない祝日も珍しい。だいたい、昭和の日が必要であるならば、「明治の日」や「大正の日」はなぜ存在しないのか。われわれの祖先の生きた時代に対して十分な思いをはせるつもりであるなら、それこそ伝説の神武の日から順に作っていかないとおかしいではないか?ようするに昭和の日というのは、昭和世代による「われわれの生きた時代は他の時代よりもスゴカッタのだ」という思い上がりを象徴するものでしかない。「昭和の日」推進運動をやっていたのは右翼の連中だが、こいつらはちょっとでも自分というものを客観視することが出来ないのであろう。いわんや日本を客観的に捉えることなどできはしない。しかしこういう人間には歴史や時代を知的に(いわゆる冷たい頭脳と暖かい心で)理解することはしょせん不可能である。「昭和の日」は、「激動の」昭和の時代をしのぶための祝日らしいが、皮肉なことにこの祝日制定を推進してきた人たちや、いまや日本の反知性主義を代表する読売新聞は、まったくもって歴史を語り、しのぶのにふさわしくない人たちなのである。

こんな指数はどうか?  2007/04/29(日) 11:46:35
 為替取引をやっている人は、大多数スワップポイントが有利となるようなポジションを取っていると思われる。そこで、東京金融先物取引所に上場している通貨ペアを1枚づつ、スワップ受け取りの方向にポジった時の状態を指数化して、先物に上場したらどうなるだろうか?こうすれば為替取引をやっているお客さんを呼び込むことが出来るかもしれんではないか?残念なのは、現状の法制下では、このような指数は商品取引所には上場できないことである。自由化が望まれる。
 昨日のコーヒー指数の話、NYやロンドン市場のも単純平均に加えたほうがいいですな。東京の2銘柄だけでは存在意義がほとんどない。

関西コーヒー指数  2007/04/28(土) 11:38:26
 私の取引している店では関西商品取引所の上場商品は扱ってないので今まで気づかなかったが、関西コーヒー指数は7月限から指数の算出方法が変わっていることを知った。すなわち7月から、アラ:ロブ=9:1の加重平均に変わっていた。そういえば5月限だけ、妙に高い値段がついていておかしいとは思っていたが、そういう事情があるのかと合点した。ただこれでは、ほとんどアラビカそのものを取引しているのと変わらず、指数上場の意味がないのではないか?やはり以前のように単純平均のほうが、独自性があってよかったように思う。ついでに、指数は、わざわざ2000年の平均価格を1000として、現在の価格比を算出しているが、これなどいっそのこと、単に東穀の値段そのものを単純平均して、倍率も50倍にしてみたらどうか?こうすればアラロブとの関係がかなりわかりやすくなって、ちょっとは人気も回復しそうだと思うのだけれど、どんなものか。指数商品については、他人のふんどしで相撲を取る関西人らしい(失礼)商法だとは前から思っていたが、こうなるとなりふりをかまっているわけにも行くまい。

プロップファーム  2007/04/28(土) 00:48:16
  先物を再開して以来、相場界にいくつか耳慣れない言葉が生まれているのに気づく。たとえば「石油クラック」である。7,8年前には、少なくともふつうの投資家の間では一般的でなかったと思う。用例を見てみると、原油と石油製品の鞘を言うものらしい。ところで昨日紹介した、「住商エレクトレード」は日本初の本格的「プロップファーム」なのだそうである。これも調べてみると、「自己売買を専業として行う会社」という意味であることを知った。役所はお堅いから、今までは自己売買だけを事業として行う会社など、登記の段階ではねられたのだろう。そういえば数年前まで、税務署に提出する書類で、職業欄を「投資家」などと書くと、「そんな職業などない!」と説教されたそうである。たしかに、やくざ・売春婦・相場師は、多くの人にとっては今もなお、それで稼ぐ人はいても職業とは認められぬものなのだろう。

住商といえば・・・  2007/04/26(木) 21:37:10
  パプティマスさんが紹介されていた、住商エレクトレードの社長のブログを読んでみた。これは面白い。早速お気に入りに登録する。
 自分も現在の商品先物市場について言いたいことを書いてきたけれど、当然のことながら、社長さんの意見はずっと奥が深いし、システムのことなど専門性も高い。なんかこれを読んでいると、私ごときがこんなところで浅い見解を披露しても意味がないような気がする。いや。そこは芳名録。素人や相場のプロが、自由に書きまくるところに意義がある。今後ともつれづれに書いていこう。

 ふと、久しぶりに『銅マフィアの影・ドキュメント住商事件』(日本経済新聞社)を読み返したくなった。

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