(無題) 2009/03/08(日) 12:26:42 |
| 小沢氏が今回の疑惑を「国策捜査」と息巻いている。まあ、田中元弁護士が言うように検察は行政府の一部なのですべての捜査は国策捜査であると言い切っていいのであるが、様々の犯罪行為のどれを取り上げるかに恣意性が無いとは言えないのも事実である。だから政治家はよく「なんでオレだけが」と叫ぶ。自殺した新井将敬氏は最後には「おれは朝鮮人だから狙われた」と言い残したという。さてこれから行政権行使の裁量が見られるとするなら、それは逮捕の時期だと思う。小沢が代表を続けている限り、選挙までは逮捕はないのではあるまいか。少なくとも自民党政府にとってはそれが有利だからだ。 |
(無題) 2009/03/05(木) 21:25:14 |
| あの西村慎吾氏がパチンコ違法化をもとめて請願の署名を集めているという。私はパチンコには全く興味がないが、なくすとたぶん新しいギャンブルが出現すると思う。おそらく一部政治家が推進するカジノへの追い風にしようとするつもりか。で、昔の公娼宿経営者ががソープランドのそれに転じた如く、今のパチンコ経営者がそのままカジノに横滑りするだろう。 |
(無題) 2009/03/04(水) 22:01:15 |
| 近頃はごく普通の一般人が経済について処方箋を考えた本が珍しくない。以前紹介した朝日選書の『民富論』もそうだが、今度出版された、廣宮孝信『国債を刷れ!』(彩図社)もなかなか面白い。どちらもマスコミ露出度の高い経済学者が言うのとは違って、古典的ケインジアンの影響が濃厚であるが、『民富論』が鎖国主義と一致団結主義に陥って非現実的性や不合理性が顕著であったのに対し、こちらの新著はそのようなことは主張しない一方、景気対策における財政支出の重要性を説いていて、それなりに説得力がある。 特に興味深いのは90年代から現在にいたる日本とイタリアを比較して、元々はイタリアの方がGDPにしめる国債の割合が多かったのに、一貫してイタリアは積極財政・赤字財政によって経済成長を実現した結果、いまや日本より国債負担率は低くなる一方、日本は緊縮財政にこだわった結果経済も拡大せず、国債負担率も却って増加してしまったという指摘である。2007年は確か一人あたりのGDPもついにイタリアに抜かれてしまった。この指摘には、ほとんどの経済学者・エコノミストも顔色なしではないか。 本書では、日銀と高橋洋一氏の対立を論じて、日銀がマネタリーベースを余り増やさなかったのは確かにデフレ要因であるが、緊縮財政の支持者である竹中=高橋路線も完全なデフレ政策であり、日銀と竹中=高橋ラインは、お互いを敵視しながら「デフレ政策のための共同行動」をとったと酷評している。正直この批判は当たっている。 著者の廣宮氏は元技術者であるが、現在はFXや商品先物などを主戦場とする個人トレーダーだそうである。ケインズが先物をやっていたのは有名であるが、「日本のケインズ」高橋是清も相当山っ気のあった人物のようであり、実際自分の金を生きた相場にかけている人間の方が、研究室で「新古典派経済学」を研究しているアカデミシャンよりリアルな経済の本質をよく捉えているように思えるのは、いささかひいき目すぎるだろうか? |
(無題) 2009/03/03(火) 20:37:50 |
| 民主小沢氏の公設秘書逮捕、本人は目下行方不明とのこと。検察は行政機構の一部であるから、行政府の長たる麻生首相には事前に情報があって、それで解散を先延ばしにしていたのかしらとも思うが、たぶん官僚機構は麻生氏も信用していないから、首相にも完全に秘密にしていた可能性が高いように思われる。民主にとっては大きな失点であるが、自民党の支持率が此で回復するとも思えない。そもそも小沢民主そのものが郵政や農政で守旧的だったから、できれば「日経より」の政策を打ち出せる人に変わってほしいと思う。 |
(無題) 2009/03/02(月) 23:33:01 |
| 『幕末下級武士のリストラ戦記』を読む。将軍の御徒として履歴を始めてから、幕府滅亡を経て、県庁の役人となり、晩年自分史を残したある人間の一生涯を追った書物である。昔の武士は副業として細工物などに手を出していたが、屋根葺きも自分でするし、そのほか農業などもわずかな期間で覚えて手を出しておる。まことに支配階級たる武士ですら今の人に比べ器用というか、非常に「生活力」があると感じた。自分ごときはもちろん、現代人の大多数にはもはや失われた能力である。独身男性やらいわゆる下流社会の人やらは食べ物すら出来合のジャンクフードに頼っているのであるから。 2月 証券 20015円 |
(無題) 2009/02/23(月) 23:08:27 |
| 金森重樹さんといえば東大法学部出てなぜか行政書士で大成功した人だとか、「通販大家さん」とかで名前を知っていたが、こんど彩図社から『お金の味』と題する半生記を出版して、一気に読んでしまった。なんとこの人は、20代で先物に引っかかって、1億の借金を背負ったのだ。ただ凡百の人間と違うのは、もはや通常の方法では金など返せないのだから、事業家になってやろうと意気込み、実際に成功して見せたところだ。それにしてもこの人にお金を貸すkさんって、上場企業創業者だと言うし、誰のことか気になる。まあ、フリーターでありながらそれだけの金を借りられたと言うことは、金森氏もその当時から光るものはあったのだろうなとは思う。 もっとも、金森さんの口車に乗ってマンションの一棟買いした人の中には、このたびの金融恐慌でかなり苦しくなってるので、其れへの弁明的な意味もあるのかしらと思う。金森氏は生き残るかもしれんが、お弟子さんの方はバタバタと逝ってしまうかも・・・ |
(無題) 2009/02/12(木) 22:04:49 |
| オバマ氏の70兆円景気対策がようやく可決の見通しであるが、この中にはかなり減税政策が含まれており、純粋な支出増加はもう少し少ないみこみである。やはりクルーグマンのいうように、すべてを財政拡張に向けた方が効果的だと思う。しかし日本の経験からすると、これだけ財政政策をやっても下支えにはなるだろうが、自立的回復につながるかは予断を許さない。もっとも金融政策と減税オンリーではこの場合最悪の選択肢である。 そもそも金融政策は、景気の引き締めには役に立つが、拡大にはほとんど役立たないのではないかという印象さえ持っている。なぜなら、不況期には流動性選好が強まるからだ。一方歳出の増減は、景気の引き締めには役に立たないが、下支えには割と役に立つ。しかし大方のアメリカ生まれの主流派経済学者にとっては、これは「不都合な真実」のようである。 |
(無題) 2009/02/11(水) 23:22:17 |
| 日本の皇室を扶余族由来とする騎馬民族征服王朝説は、一般には信奉者も多いようであるが、プロの研究者の間ではすこぶる冷淡に扱われている。しかしこの説が現れた頃は、結構学界の研究者でも支持者がいたのは、意外に知られていない。現在学界でこの説への支持を明言する人がいないのは、この学説が説得力を欠くと言うよりは、一つには、有力な文字資料が出てこないかぎり立証する見込みがないことと、もう一つは、あまりにも謎解き好きなアマチュアに人気があるので、こんな説を支持してはプロとして恥ずかしいという意識があるためだろう。ちなみに私自身は、この説は「充分ありうる」とは思っている。 もっとも、江上波夫の見立てを全面支持しているわけではない。一番違和感があるのは「臣系氏族」をいわゆる天孫族とは別の土着の氏族であるとみている点だ。しかし私見によれば、とくに武内宿禰の子孫と称する臣系氏族こそは、倭の五王を出した一群の集団ではないかとみるべき証拠が多数ある。日本書紀には、蘇我氏のみならず平群真鳥が日本の王になろうとしたという記述もあるし、紀氏にいたっては、三韓に君臨して「神聖」と号する王になろうとしたという。まさに「騎馬民族的」発想ではないか?江上氏がこれにふれないのは、自説の結構に合わないためだろう。倭王済と推定される允恭天皇が、武内宿禰の子という若子宿禰と同一である可能性も指摘されている。 武内宿禰系氏族が根拠地とした大和葛城には、「高天原」の伝承地たる神社があるのも意味深である。もちろん江戸時代の国学者あたりがこじつけたものではなく、延喜式にも記載してある古きゆかしい伝承地である。祭神はタカミムスビであるが、これは天照大神以前の本来の皇祖神であろうと考えられており、しかも本質的には朝鮮の王の祖先である天・日月と言ったものと同じ思想の産物である。天孫降臨神話は任那の首露王の降臨神話と同一であるし、神武東征もまた高句麗の朱蒙の建国神話と細部において奇妙な一致がある。ちなみに平安時代初期に編まれたという大同類聚方には武内宿禰=王仁(百済の有名な渡来人である)という驚くべき説が記載されている。もっとも大同類聚方のいまある流布本は江戸時代の偽書だと言うから、これについては価値判断を保留せねばならないが。 |
(無題) 2009/02/10(火) 23:12:10 |
| 週刊新潮が赤報隊事件の犯人の告白なるものを連載しているが、当事者である朝日新聞は最初から事実と異なると言っているし、週刊文春によればそもそも島村という犯人と名乗る男が最初に朝日に「告白」した内容と根本的に大きな違いがあるのだから(そもそも朝日対しては阪神支局小尻記者を計画的に狙ったのだと言い、今回の告白では阪神支局を狙ったのは成り行きにすぎないというのだから何をかいわんや)新潮は連載をどう決着をつけるのか興味がある。たぶん次週号はほとんど目立たないような広告にして、本人身の危険を感じるとかで連載打ち切りじゃないか。 |
(無題) 2009/02/09(月) 22:21:23 |
| 『東洋経済』の2/14号で慶応の小幡績さんが、オバマの財政拡張で経済危機は「深まる」と論じていた。さすがハーバード大学PhDだけあって、アメリカ流エコノミストの面目躍如である。今アメリカの経済学界では、財政拡大が景気回復には無効有害であると言う多数派と、財政拡張やるべしと言うクルーグマンら少数派との間で論争が繰り広げられている。1929年の大恐慌にしても、日本における常識とは違いアメリカではニューディール政策は有害無益であったとする考え方のほうが、なまじ経済学を勉強した人たちの間では多数派なのだ。かくも徹底的に公的経済の拡大を嫌うのは、いわばアメリカの精神とも言える。さて有害と言い切る小幡氏の説によれば財政赤字拡大が米国債とドルの暴落をもたらしてパニックに陥るというのだが・・・ |
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