季節 さんの日記

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(無題)  2009/01/22(木) 20:39:01
  United States of Americaをアメリカ合衆国と訳す。よく考えてみると不思議である。幕末の頃の誤訳から始まったという話である。だから本多勝一氏のように、合衆国という訳を嫌って、「合州国」という言葉を使う人もいる。しかし「長い物に巻かれる」のを潔しとせずわりと何でも筋を通すホンカツにしては、いささか不徹底な態度だと思う。なぜなら何故に「合州国」という特別な言葉を当てはめないといけないのか、筋が通らないからである。正しき訳は「アメリカ連邦(略して米連)」である。由来、FederationもUnionもCommonwealthも、等しく連邦と訳すのが外務省も採用している日本語の流儀なのであるから、United Statesも特別視せずに連邦と訳すのがあるべき姿である。ネット上では暴走族を「珍走団」と呼ぼうという運動があるそうであるが、そのうち藤原正彦さんあたりが音頭をとって、「『合衆国』をやめて『米連(べいれん)』と呼ぼう」という運動でも始まらないかしら。

(無題)  2009/01/21(水) 21:09:01
  1ポンドが125円と変動相場制後最安値を更新した。一昨年には251円だったから実に半値となったわけである。ちなみにブレトンウッズ体制ができた頃は1ポンド1400円を超えていたから、10分の1以下になった計算である。しかし1ポンド250円の頃はイギリスの物価は日本円に直すとだいぶ高かったようであるから、案外今の水準は妥当なのかもしれない。

(無題)  2009/01/20(火) 22:35:06
  近頃売り出し中の高橋洋一氏が、「マンデル=フレミング理論」があるから、現代の日本では財政政策は効かないという。この理論によれば、有休資源がある自由貿易体制のもとで、固定相場制では財政政策は効果があるが、変動相場制の下では財政政策は効果が無く、金融政策のみが効果を持つというのである。しかし考えてみれば、実物経済的には全く同じ状況でありながら、実物的政策たる財政政策が、単に固定相場制か変動相場制かで景気浮揚の効果があったりなかったりするとは、素人考えでは誠に不思議な話である。
 マンデルフレミング理論によると、変動相場制の下で財政政策を行うと、金利の上昇→通貨の上昇→輸出減で、効果が相殺されてしまうと言うのである。しかしふつう有休資源がある状態では財政政策は直ちに金利の上昇をもたらさないと考えられるのではないか? あるいは通貨の上昇は輸出減をもたらすけれども、やがて国内物価水準の下落により、より廉価での輸出が可能となり、輸出は回復するのではないか?
 どうも私には通貨が変動相場か固定相場かというのは、所詮「通貨単位の問題」にすぎず、巨視的には経済に対し中立的なんじゃないかと思ってしまうが、ケインズ理論もマンデルフレミング理論も短期の理論だから、その影響を無視することはできないというわけだろうか?ちなみにアメリカンケインジアン(一昔前の新古典派総合という系統である)の間ではマンデルフレミング理論は主流の理論だそうであるが、オバマ大統領は事実上財政政策を打ち出しているのだから、政策的にはオールドケインジアン的である。今や日本でも、意外な人が財政政策を唱えている。野口悠紀雄氏もその一人である。
 私の意見を述べさせてもらうと、たとえ変動相場制だろうと、オールドケインジアンあるいは小野善康氏に従って、財政政策は有効だと思う。財政政策に批判される部分があるとするなら、それが景気に効かないからではなく、投資主体が公共セクターになるため、無駄が多い、あるいは腐敗の原因となりがちという点にあるのである。

(無題)  2009/01/19(月) 21:02:51
 アメリカの時代、終わりの始まりという人が増えている。たしかに今後、世界のGDPにしめるアメリカの割合は少しづつ減って行くであろう。しかし其れが単純にアメリカの存在感の減退につながるかと言うと、私には必ずしもそうは思えない。なぜなら学術におけるアメリカの優位性は依然絶対的なものがあるからだ。世界の優れた研究者がアメリカに留学しているのは周知の事実である。学術における優位性が覆らない限り、巨視的にはアメリカの時代は続くと見る。

(無題)  2009/01/07(水) 22:49:24
  マザース上場のニューデールが時価総額不足で上場廃止の見込みという。ニューディールと言えば、元の社名をリキッドオーディオジャパンといい、確かマザース上場第一号のはずである。その後社長が逮捕される大きな不祥事があり、最近はすっかり事業内容も変わって、いわばゾンビ化していたわけであるが、最近は株価1円に張り付いていた模様である。マザースで上場を維持するためには、時価総額5億必要なのであるが、面白いことにこの会社は発行株数が5億3千万株もあり、それ故時価総額5億を下回ることはあり得ないのだ。まさかそれを考えてこんなに株式を発行したのだとしたら笑えるが、しかし東証も新たに、発行株式数の2倍以上の額がなければならないというルールを定めたため、このたび廃止基準に触れたわけであった。

(無題)  2009/01/05(月) 21:33:33
  相変わらず麻生首相の評判が悪い。ソフトブレインの宋文洲氏によれば、彼がマンガ好きなのは、たぶん文字が読めないからだろうという。しかしここまで不人気だと、却ってあえて人気取りをする必要もないのではなかろうか。私は、かねてから、地方の首長は3期までが望ましいと思っているが、その理由は、過度の長期政権は腐敗しがちであるということのほか、3期目には人気取りをする必要が無くなるので、有権者に不人気でも真に必要な事がやれると思うからである。その意味では、麻生首相が3年後の消費税増税を明言したことは、誠に正解である。この際徹底的に憎まれ役となって、やらなければならない不人気なことをやってのけるとよいかもしれない。きっと歴史が評価するであろう。

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(無題)  2008/12/30(火) 18:43:33
  昔西部邁は『発言者』という雑誌を出していたなと思っていたが、いつの間にか『表現者』と誌名が変わっている。久々に中身を読んだが内容は相変わらずである。そもそも『表現者』による人たちは、何かというとポピュリズムだの衆愚政治だの国民を小馬鹿にする割に、今更全く不可能な自給自足でもするつもりかというような、現実離れした突飛な議論を言い飛ばして悦に入るたぐいが多い。なんだかこの人たちより大衆の平均的意見の方が大方賢明なのではないかと感ずる点が多くてほほえましい。
 食料自給率にしてからが、農水省のデマゴギーと小学校以来の農本主義的社会科偏向教育による洗脳にもかかわらず、国民のかなり多くが腑に落ちないものを感じていたのではなかろうか。すべての産業が互いに連関しているのに、その一断面をとりだして数値を測定してみても、何の意味があろうかと疑問に思う人は多いであろう。にもかかわらずこのデマゴギーにものの見事にはまってしまったのが、常日頃大衆民主主義にシニカルな『発言者』の面々なのだから、たしかにユーモアがありすぎる。榊原英資も妙な人たちとつるんだものだ。

(無題)  2008/12/26(金) 21:02:21
  失業率がどこまでアップするかわからないが、日本もヨーロッパの一部の国のようにワークシェアリングを本格的に導入すべき時がきたのではなかろうか? 昨今は解雇法制を柔軟化する方向にあるが、いきなり解雇を容易にするより、むしろ40時間労働制を再検討すべきであると思う。景気次第では32時間くらいまで労働時間を削減するような、柔軟な制度がとられても良い。もちろんローンの返済もそれに応じて減らされるべきであるが。こんな不景気の時こそ週休3日制もありではないか。

(無題)  2008/12/25(木) 21:55:00
  2007年のOECD30カ国の一人あたりGDPが、日本は一つ順位を下げて19位であるという。たぶん平均為替レートを用いたものと思われるが、2008年は円がだいぶ切りあがっているから、順位はかなり上昇するであろう。かように為替レート次第で国の豊かさは相当変わるから、為替レートは余り意味がない、購買力平価で計算すべきだという人がいる。其れも一理なしとしないが、しかし所詮購買力平価も観念の産物であり、市場が見いだした均衡こそに経済の真実があるという立場からすれば、やはり現実の交換レートによるGDPこそがその国の経済的地位を表すというべきであろう。
 ところで、書店にはマディソンという人が計算した、1820年からの主要国のGDPを計算した表が出版されているが、これは1990年ゲイリースミスドルという、一種の購買力平価によるドルで計算している。しかしわたしは前記の理由から、現実の交換レートによる表の方が経済史的に役に立つと思うのである。

(無題)  2008/12/25(木) 21:38:19
  百年に1度という金融恐慌の行方は予断を許さないが、1929年の世界恐慌のときにくらべ、国際協調が進んできたことはいくらか救いがある。。大恐慌の時は、各政府とも無意識のうちにケインズ政策を断行したが、そのケインズ政策が効果を発揮させるために、外国の安価な商品が国内市場に流入するのを防ぐべくブロック経済となった。その結果日本など持たざる国の暴発を招き世界大戦へとつながったのは歴史的事実である。ただしアメリカが今後保護主義に転換する可能性はなしとしないが。そうではあっても1930年代のようにはならないであろう。そうなってほしいとしきりに願望するのが西部邁とその仲間たちで、今こそ経済ナショナリズムをなどと叫んでいる。今更自給自足が可能になるわけでもあるまいに。幸いにして『激論ムック』あたりの一部のネットウヨ以外にたいした影響力は与えていないようである。

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