(無題) 2008/12/23(火) 11:32:03 |
| 最近ラジオで、多重債務者救済などをかかげて「ホームロイヤーズ」という所がよく宣伝していて、気になってはいたが、その所長である西田研志弁護士が、幻冬舎から立て続けに3冊の本を出した。なかなか面白い。ホームロイヤーズが弁護士業界では非弁活動をしているとして、攻撃されているということも初めて知った。 どうも法務作業をルーティン化して、パラリーガルに大量に処理させるのが、弁護士法72条にふれると言うらしい。しかし明らかに合理的な行為を法律の名において否定するのならば、おそらく法律の方が間違っているのではないか? でなければ社会進歩というものはなくなってしまう。 私の意見では、ごく定型的な法律事務は、一定の士業資格を持っている人間ならば、弁護士の監督の下に、弁護士事務所内で処理するのは、全く問題ないと思う。 しかし官僚機構に任せると、規制緩和の名の下に、パラリーガルのための新規国家資格をでっち上げるような方向に進んでしまうから(なぜならその方が新しい試験実施機関を立ち上げることができ、ポストが増えるからである)、警戒を要する。 |
(無題) 2008/12/22(月) 21:02:02 |
| 万引きさせた薬品を転売して儲けていたリード薬品という会社が摘発された。たしか東スポに広告を出していたような気がする。あれはある意味アリバイ作りか。詐欺罪もそうだが、盗品故買も情状によっては誠に罪深いもので、刑罰の上限が懲役30年でもおかしくないと思う。 詐欺罪で思い出したが、ちょっと前に商社を舞台にした病院再生ビジネス詐欺は被害額数百億円にのぼり、かのリーマンブラザースが引っかかった事件があった。一介のベンチャー企業の日本人が天下のリーマンを騙すとはと驚いたが、今から考えればこのころからリーマンはすでに非常事態で、焦りがあったのだろう。 |
(無題) 2008/12/19(金) 23:58:01 |
| 故遠藤実氏に国民栄誉賞授与とのこと。わけわからんなあ。遠藤よりも阿久悠さんのほうが遙かに偉大だと思うが。過去の国民栄誉賞受賞者をみても、スポーツ選手以外では、美空ひばり・長谷川町子・黒澤明・渥美清は妥当だが、あとはかなり格落ちに感ずる。逆に手塚治虫・石原裕次郎・松本清張・司馬遼太郎・阿久悠にあげなかったのはおかしい。 作曲家の受賞者が目立つが、古賀政男・服部良一・吉田正・遠藤実じゃ、ほんとうの歌好き(演歌好きではない)の人からみると、いまいちズレていると感じるのではなかろうか。古賀政男は一応古賀メロディとして名を残しているけど、実際の所ほとんどその世代以外に支持の広がりをもたず、中山晋平には遠く及ばない。私の意見では、多くの世代に永く親しまれる大衆名曲を作ったという意味で中山晋平に匹敵する力があるのは、おそらく「いずみたく」だろうと思う。 しかしながら、いずみたくはもちろん手塚治虫も松本清張も、国民栄誉賞の対象にはなり得ない。なぜなら日本共産党支持者だからである。多くの国民栄誉賞受賞者がややずれた印象を与えるのは、結局自民党内閣が、自民党のコアな支持者層たる地方の高齢者の喜びそうな人にばかり授与しているからだろう。 |
(無題) 2008/12/17(水) 20:45:16 |
| 『文藝春秋』新年号掲載の論文、浅川芳裕「農水省 食料自給率のインチキ」はまことに胸のすく論考である。本論考が主張しているように食料自給率などは、安全な食生活にも、食糧の安定供給にも、農業の強化にも何の関係もない数字である。しかも論文によれば、食料自給率なるものを計算してる国自体が日本だけだという。やっぱりと言わざるを得ない。外国の数字は皆、日本の農水官僚が勝手に計算した数字なのである。 こんなばかばかしい「食料自給率」なる数字が、(カロリーベースだろうと金額ベースだろうと)、なにか日本農業の危機を表すものとして一人歩きしているさまは、本当に噴飯ものだと思う。榊原英資なんぞも頭がいいはずなのに、真顔で食料自給率の向上を叫んでいる。野口悠紀雄はさすがにそんなことは言わないが。いや、農水省の役人も榊原も、西部邁も中野剛志も、みんな自分の言っていることはナンセンスだとわかって叫んでるんだろうね。まず、間違いない。 |
(無題) 2008/12/14(日) 22:52:36 |
| 夏の間に灯油券を売りまくった業者の一つが、倒産したようである。北国では灯油は必需品のせいか、不需要期に灯油券を確保する家計も珍しくないようだ。従って今回のように価格が急落すると大損するわけだが、発行元が倒産すると踏んだり蹴ったりだろう。野村証券あたりがガソリン券や灯油券を販売すればいいんじゃないかなあ。 |
(無題) 2008/12/13(土) 06:37:35 |
| 戸籍・判決偽造事件の広田書記官は京大卒だそうな。なんか屈折したものを感じる。 |
(無題) 2008/12/12(金) 21:57:03 |
| Richard Lynn とTatu Vnhanen 『IQ and Wealth of Nations』を読む。まあ、私は英語は苦手だから読んだと言えるかどうか疑問であるが、これは相当の奇本である。とにかく国別の平均IQを推定し、それがその国の発展状態に影響を与えているという話である。リチャード・リンは知能の人種差について、この世界では密かに知られた人物で、もちろんそれは遺伝的な差であると見ているのである。彼の本はまず日本語訳は出ないであろう。しかし変な反ユダヤ本に比べれば、批判的に読むという意味で手応えはあるかもしれない。 で、最近のレイシストのはやりでは、東アジア人こそもっともIQが高い人種なんだそうで、それは「北方モンゴロイド」が寒地適応する中で、厳しい生活によって知恵のない者が淘汰されたからだそうな。でもそうすると、同じ寒地適応したアメリカインディアンとかネパール人は高IQであるべきなのにリンの本によれば80位しかない一方、基本的に南方モンゴロイドである台湾人が104と言う値を示すのは妙な話である。ひっきょう「寒地適応理論」なる議論は戯言であることを示すし、「諸国民の平均IQ」なるものは、遺伝的な差異でも何でもなく、ただ単に、その国が高度情報社会で教育が進んでいるため、パズルを解くのになれていると言うことを示すにすぎないのである。 だいたい人類は1万年前にはどこも似たり寄ったりの狩猟採集生活を送っていたわけで、要求される智恵に違いはなかったと思う。狩猟社会と前近代の農耕社会でも、どっちがより智恵を使うかなどとは言えないはずである。では近代文明人は前近代文明の民が淘汰されてできたのか? まずありそうにない話だ。そのことは牧歌的な農民だった日本人がわずか100年で近代文明人になれたのに、いささかの淘汰圧が働いた形跡も見られないことからも明らかである。我々は江戸時代人とおなじ頭の中身に違いない。現代のエチオピアの農民だって江戸時代の農民とおなじように生活に知恵を使っているであろうが、リンにいわせればエチオピア人のIQは60だそうである。ありえん。 |
(無題) 2008/12/10(水) 21:56:32 |
| メディアの方も広告料の減退などで厳しさを増している中、産経新聞がその「独自の主張」を強めて生き残りを図るのはわかるが、さすがにたまたま見た記事の中に旧漢字旧仮名の文章があるのには驚いた。伊原吉之助というひとの「正論」である。もしかしたらこの新聞ではよくあることなのかしら。しかし「居られやうか」「轉換しやう」は、いかがなものか。少なくとも戦前の辞書的標準では、新仮名と同じでよいのである。普通校正のチェックが入りそうだが、案外わざとだったりして。 昔、北朝鮮高官の黄長Y(ファンジョンヨプ)が亡命したとき、ファンジョンヨプなどと朝鮮読みするのはけしからん、コウチョウカと読め、と主張した文章が、諸君だか正論だかに掲載されて我が目を疑ったことがある。日本音なら「こうちょうよう」であるべきなのである。いわゆる百姓読みで、正直これをこのまま印刷させた編集部の悪意を感じてしまった。案の定次号で呉智英がうれしそうにこき下ろしていた。呉も口が悪いからなあ。 |
(無題) 2008/12/09(火) 23:07:43 |
| 京都地裁の書記官、判決の偽造はするわ、戸籍を偽造して架空の人物をでっち上げるわ、前代未聞だな。 |
(無題) 2008/12/08(月) 21:32:43 |
| 神門善久『日本の食と農』を読む。日本の兼業農家の大多数はホンキで農業などしておらず、税の軽減を受けながら国費で土地改良をして土地の価値を高め、農地転用で高く売り飛ばすことをねらっているとのこと。確かにそういう面はないとは言えないだろう。いわば無料の宝くじを延々引き続けているようなものだからだ。正直この本を読むと、農地行政っていったい何のためにあるのだろうと絶望感に襲われる。こうなるともはや、土地に関するあらゆる規制を撤廃して何でもありにしたほうがある意味公正なんじゃなかろうか。この点、リベタリアンは土地政策はどうあるべきと考えているのだろうか、ちょっと興味がある。 なお、神門氏は日本の農業を救うには外国人労働者をがんがん入れるべしという意見。こういうラディカルな所は賛成(笑)。つかすでに嬬恋村とか、そうなってるんじゃなかったっけ? |
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